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DNA 日本人 ルーツ

日本人のルーツとDNA

日本人はどこから来たのか、面白そうなことが出てましたので、調べてみました。

日本人のルーツ研究の第一人者でおられる、国立科学博物館の篠田謙一副館長のお話です。

篠田先生は人体の細胞は37兆個からできています。
その細胞の中にある小器官で「ミトコンドリア」が重要な機能を持っていると発表しています。


細胞・ミトコンドリア

ミトコンドリアは「ミトコンドリアDNA」と呼ばれる独自のDNAを持っていますが、比較的分析しやすく母系遺伝で母親から子どもへ引き継がれることが分かった。

細胞1個には、約2000個のミトコンドリアがあり莫大な数のミトコンドリアが細胞の中でエネルギーを作っています。

人は生きるためのエネルギーをコメなどの食物を食べることで得ていますが、実際に細胞の中で食物をエネルギーに変える働きをしているのがミトコンドリアです。

日本人のルーツ

旧来は
「日本列島の中で独自に原人~新人への進化が起こった」という多地域起源説を前提とした「単一民族」の歴史を複数の説明がされていました。

1990年代になると、多変量解析という統計の手法を使った人骨の分析をして、二重構造説が日本人のルーツの定説になって一います。

二重構造説とは

弥生時代になって農耕技術と共に大陸から渡来人が日本列島に進出し、在来の縄文人と混血していくことで本土(本州・四国・九州)の集団が形成されたが、海を隔てている北海道と沖縄では混血が進まずに縄文人の子孫たちが残った

という説です。

二重構造のシナリオは、古人骨のDNA分析によってもある程度証明されている。


縄文時代

ハプログループとは

DeNAライフサイエンスによると、遺伝子には「祖先にどんな特徴があるか」という情報が刻まれていて
多くの日本人は祖先の系統毎に大きく10種類の「ハプログループ」(ミトコンドリアハプログループ)に分類されている。

ハプログループD/遠い血縁:中国中部の人々「稲作の民」
日本人の35%以上が該当する最大のグループで中国中部が起源とされ、弥生時代の到来に貢献したと考えられる。

ハプログループB/遠い血縁:ハワイの原住民「海の覇者」
日本人の約13%が該当するハワイを含む太平洋の島々から南米大陸まで全世界に分布された開拓精神あふれるグループ日本においては縄文人なったと考えられる

ハプログループM7「日本最古の定住者」
海底に沈んだ「スンダランド」と呼ばれる大陸が起源とされる日本人の約13%が該当する日本人独特の集団で日本列島に最も古くから居住していると考えられ、縄文人として繁栄したとされる。

ハプログループG/遠い血縁:シベリア地方の人々「最北の住人」
中国北部が起源とされ日本人の約7%が該当するシベリアなどの北部地域に多いのが特徴で、日本には弥生人になったグループとアイヌ人になったグループと考えられる。

ハプログループA/遠い血縁:アメリカ先住民「北の狩人」
シベリアが起源とされ日本人の約7%が該当する。
シベリアでマンモスを狩猟していたとも考えられており、現代では東アジアからアメリカ大陸まで広く分布している。日本では古くから縄文人の入り部になったといわれている。


縄文時代・弥生時代

ハプログループN9/遠い血縁:カムチャツカ半島の人々「流氷の民」
ユーラシア北部が起源とされ日本人の役7%が該当します。
カムチャッカ半島をはじめとする北東アジアに分布し、日本では縄文人になったグループとオホーツク文化を形成したグループが考えられている。古代から魚を食べていたといわれています。

ハプログループF/遠い血縁:東南アジアの人々「熱帯の開拓者」
東南アジアが起源とされ日本人の約5%が該当します。
東南アジアで最も多くの人が該当し、それ以外は拡がっていないのが特徴。
大陸を北上し朝鮮半島経由で日本にやって来たといわれてい

ハプログループZ/遠い血縁:フィンランドの先住民「北国の民」
中国北部が起源とされ、日本人の約1%が該当します。
シベリアを中心に北欧の一部地域にも拡がっていて、ヨーロッパとつながりをもつアジアでは珍しい

ハプログループM8a/遠い血縁:中国の漢民族「大陸民族」
中国北部が起源とされ日本人の約1%が該当する大陸で歴史を築いた勇敢な民族で「中国漢民族」を特徴づける日本には弥生時代に稲作とともにやって来て弥生人になった可能性が高いと考えられる

ハプログループM8a/遠い血縁:中国の漢民族「遊牧民族
中国北部が起源とされ日本人の約1%が該当する。
中央アジアからアメリカ大陸まで広く分布し、日本には弥生時代に一部の人がやって来たと考えられる。

様々な研究が進んでいる現在では、人類誕生の地とされるアフリカからどのような経路で大陸を移動して日本にたどり着いたか少しずつ明らかになってきています。

篠田先生は「日本人ルーツ」研究から「単一民族国家」のイメージは当てはまらない、日本人の多様なハプログループの分布とアジア諸国、北ユーラシアとの類縁性と語られています。

人類全体がDNA的には同種の親戚同士であることをDNAが語っている。
DNAが語る人類の歴史を振り返ることは100年後、200年後の世界を創造することもあるそうです。

参考:MYCODE,ミトコンドリア致死(江間暢著)、DeNA

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