ヨーロッパでは神聖な虫、日本の天道虫の「ナナホシテントウ」
ナナホシテントウはテントウムシ科の昆虫の1種で、漢字で「七星天道」と書き、その名の通り赤色の鎧のような硬い羽を持ち、その赤い色の鞘翅(しょうし)に七つの黒い紋がある。
テントウムシの分類と種類
テントウムシは鞘翅目(しょうしもく・こうちゅうもく)と呼ばれる分類の昆虫で硬い羽を持っているのが特徴で、他にもカブトムシ、クワガタムシ、コガネムシ、ホタルなどたくさんの種類があります。
テントウムシのい中でもこのナナホシテントウがよく見るテントウムシで、他のテントウムシは星(紋)の数で名前を持っています。
星の数は、2、4、6、7、8、10、12、13、14、15、16、19、28です。
呼び名は
- 2:フタホシテントウ
- 4:ヨツボシテントウ
- 6:ムツボシテントウ
- 7:ナナホシテントウ などと呼びます。
テントウムシのその鮮やかな赤い体にちりばめられた水玉の模様は、女性がオシャレするブローチなどのアクセサリーとしてよくデザインされてます。
テントウムシの名前の由来
テントウムシの名前の由来は「天道虫」で、天道は「お天道さま」で太陽のことです。
テントウムシは草の茎などを上へ上へと上っては、てっぺんまで行き羽を広げて、太陽に向かって飛んでいくので、天道虫と呼ばれた。
テントウムシの特徴
- 冬を越した成虫が、春に葉や枝に卵を30こぐらい産みつけ、卵から成虫になるまでの約20日間で3回皮をぬぎ幼虫になりさなぎへと変化する。
- 成虫の寿命は活動状態で約2ヶ月です。
- 成虫はまるくてボールを半分に切ったような形をしている。
- 大きさは5〜9㎜で、日当たりの良い草地や畑で見られる。
- 日本には全土に分布し、春から秋(4〜11月)が見られる季節です。
- テントウムシの食べ物はアブラムシで、益虫と言われる。
- 決して素早い虫ではないが、活発によく動く。
海外でのテントウムシ
ヨーロッパでもテントウムシは古くから神聖な虫として扱われていた。
英語では「レディバード」貴婦人の鳥と呼ばれている。
このレディバードのレディは、もともと聖母マリアを意味していた。
ナナホシテントウの赤い体は聖母マリアの赤い着衣を表し、7つの星は聖母マリアの7つの悲しみを背負っていると言われたのです。
なかなか、高貴な虫のようですね。
そして見事といわれる赤と黒のカラフル模様がなんとも言えません。
天敵に嫌われる
テントウムシに触れると擬死状態になるが、この時に足の付け根から黄色い、イヤなにおいの体液を出して身を守ろうとします。
このにおいのおかげで、天敵である鳥はテントウムシを食べないと言う。
テントウムシの不味さを知った鳥たちは、もう決して襲わなくなる。そのためテントウムシは鳥たちによく目立つ色合いで、さらに、覚えやすいデザインをしているとのこと。
赤色と黒色は色相環の中で相対する色の組み合わせなので、お互いの色を目立つようにしている。
おなじみの赤色と黒色はまさに理屈にあった配色で、生物学的には警告色と考えられている。
鳥に嫌われるための水玉模様が、女性の装飾品のデザインに好まれているとはなんとも面白いですね。
今度見つけたら、思い出して観察してみましょう。
参考:Wikipedia、身近な虫たちの華麗な生き方(稲垣栄洋著)