現代の美男子のイケメンは歌舞伎の「二枚目」から

最近では死語になりつつある「美男子」「ハンサム」「二枚目」「男前」がある。
いずれも、カッコいい男性を表している言葉です。
いまでは「イケメン」という、イケメンの「イケ」は「イケてる」のイケで、メンはmenと面をかけたものでイケメンというらしい。他にも説がある。
どうも軽々しい言葉でなじむことができない。
「二枚目」
昔の映画俳優や演劇の役者の美男役を「二枚目」と呼んでいた。それが一般男性にも降りてきて広く使われるようになった。

「二枚目」という言葉は歌舞伎の用語から出た言葉です。
江戸時代に歌舞伎の中の役柄のひとつを「二枚目」と呼んだことがはじまりです。「二枚目」とは、歌舞伎に登場する色男役のことをいいます。男女の恋愛を演じる、いわば色恋沙汰を担当する役者のことです。
歌舞伎の八枚看板
なぜ二枚目なのかと調べたら、上方歌舞伎の芝居小屋の前に掲げられた八枚看板で、一枚目は主役のこといい、二枚目に美男役、三枚目にひょうきんの道化役の名前が書かれていたことに由来する。
お笑いの芸人さんのことを、三枚目といい、今でも使われていますね。
八枚看板といわれるように、1枚目から8枚目まで下記のようにあります。
- 一枚目:主役:そのまま主役。「一枚看板」という用法もある
- 二枚目:色男:優男で色事を担当する役
- 三枚目:道化:お笑い担当で盛り上げ役
- 四枚目:中軸:中堅役者 まとめ役
- 五枚目:敵役:一般的な敵役。主人公のライバル
- 六枚目:実敵:憎めない善要素のある敵役
- 七枚目:実悪:巨悪 ラスボス 全ての悪事の黒幕
- 八枚目:座長:元締め
引用:Wikipedia

なるほどこの八枚看板を1枚づつ見て、誰がどの役どころにいて演目するのかわかりやすく、また役者さんのステータスの象徴にもなるんですね。
「二枚目」
ご存じのように歌舞伎では白く化粧をして美しい美男子にしあげ、「二枚目」=「優男・やさおとこ」の意味するようになったわけです。
主役は別として「二枚目」「三枚目」はその容姿や役柄に印象が強く残り、両者が比較されることも多いので現代でも通じるので定着しているようです。
「二枚目半」
ところで、あの俳優さんは「二枚目半」だな。
という言葉を聞きますが、この二枚目半とは、見た目がちょっぴり今一つのような二枚目、という意味ではなく、立派な二枚目でありながら三枚目も演じることができる役者さんを言います。
すなわち色男の2枚目もひょうきんな3枚目も役柄としてこなす、実力のある役者さんということのなります。

「色悪」
歌舞伎の役柄で二枚目の美男子でありながら、内心は残忍で冷酷そのもので色気のある女たらしを「色悪」と呼び歌舞伎の世界に登場もします。
有名な「色悪」の代表的な役の櫃に挙げられるのは「東海道四谷怪談」のあの民谷伊右衛門です。
これはみなさんご存じだとおもいます。
参考:メイジノオト、warakuweb、10mTV、Wikipedia