ウシ科の動物 ヤクはチベット高原で活躍する
ヤク
ヤクは大型のウシ科の動物で、チベット高原の標高
4000m~6000m地点に群れて生活をしてい
ます。
極寒の寒さから身を守るために身体は長い毛におお
われていて、蹄あたりまであります。
2000年前から家畜化され、野生のヤクはごく少数で
家畜化されたヤクがほとんどのようです。
ヤクは全世界では1400万頭いますが、そのうち1300
万頭以上が家畜として放牧されている。
ヤクの特徴
体毛は抜け替わることがなく、暑さには弱い。
肩はこぶ状に隆起し家畜のヤクの鳴き声は牛のように
「モー」ではなく、低いうなり声のような「ブウブウ」
と鳴き、野生のヤクはほとんど鳴かない。
いわゆる鈍重ですが、四肢は短く頑丈で力持ちもちです
鈴を首から下げカランコロンと鳴らしながら、文句も言
わずに歩き続けてくれます。
チョモランマなどの登山などでは、標高5200mの場所に
設けたベースキャンプから、約2か月分の食料や装備など
ヤクの背中にくくりつけて、標高6400mにあるABC(ア
ドバンス・ベースキャンプ)という場所までの道のりを
約20㎞一緒に歩くようです。
そこから先はヤクも上れない急な斜面が続きます
ヤクは高所に強い動物で、ヤク使いといわれる専属の
チベット人がヤクの行列を口笛など使って、ヤクの
群れが崩れないように見張りながら次のキャンプま
で導いていきます。
ほとんどのヤクが家畜として、荷物の運搬、渡河の為
の乗用、毛皮用に使われ、また、ヤクの外側の毛は硬
くて長くテントやロープの素材として使われ、乳はバ
ターやチーズとして加工されます。
古くから、たんぱく質源の肉は脂肪が少なく赤みが多
く味も良いそうです。
ヤクの名前はチベット語ですが、チベット語ではヤクは
オスのヤクの呼び方で、メスの場合はディと別の名前が
付けられている。
皮はなめして洋服として活用し、フンは乾燥させてから
燃料として利用する。
日本とのかかわり
さて、そんなヤクが意外にも日本との関わりがあります
ヤクの尾毛(尾っぽ)は兜や槍に付ける装飾品として武
士階級に愛好された。
尾毛をあしらった兜は輸入先の国名をとって「唐の頭 と
うのかしら」と呼ばれた。
幕末には、新政府軍が江戸城を接収した際にヤクの尾毛が
軍帽として使われた
- 黒毛のものを黒熊(こぐま)
- 白毛のものを白熊(はぐま)
- 赤家のものを赤熊(しゃぐま)
と呼び藩や階級に関係なく広く使用されていた。
チベットの民にとってはライフラインのヤクです。
一部、絶滅危惧種とも言われています。
上手に共生して欲しいですね。