雪虫はかわいい雪の妖精だが 春は知らない
雪虫は可愛い妖精
だれが名付けたのか「雪虫・ゆきむし」は妖精のようにフワフワと粉雪のように飛びます。
おもに北海道で見られる体長5㎜程で小さく全身が綿で包まれたように見えるアブラムシなのです。
白いドレスを身につけ(その白いものは蝋・ロウです)風に吹かれて飛ぶ姿が雪のようで「雪虫」と呼ばれるようになった。
昆虫は寿命が1年以内のものが多く、冬を越さずに、冬を前にして死んでしまうものが殆どです。
雪虫が飛び始めると北国ではそろそろ雪が降る!
冬の訪れを告げる風物詩のようです。
地方によっては「雪ん子」や「雪蛍」などロマンチックな呼ばれ方もされています。
正式にはワタアブラムシといいアブラムシの仲間です。
雪虫の生態
- 雪虫は春に卵から幼虫が生まれます。
- 5月頃になると成虫になります。
- そのメスが単独で子供を作ります
(単為生殖) - 成虫となった雪虫は、松の根っこなどでアリと共存しながら単為生殖を繰り返し子供を増やし、最後に残った世代が羽をもった成虫になります。
- 秋が深まる頃に、ヤチダモの木を目指して飛び立ちます。
- いよいよ雪虫の登場ですね‼
- ヤチダモについた雪虫は初めてメス・オスの両方を生みます。
- オスには、口がなく、1週間で力尽きます。
- メスはオスと交尾をして1個の卵だけを残し力尽きるようです。
まだまだ、謎だらけの雪虫です。
夏の暑い日が続くとその年は異常発生します。
熱には弱く人間の肌に触れるだけでも体温で死んでしまうほどです。
雪虫が出てから初雪まで
雪虫が発生してから初雪までは地方によってばらつきはあります。
ウェザーニューズの「雪虫大作戦」という調査を札幌市、旭川市、函館市など北海道の主要な8都市によると平均は21日が調査結果です。
俗説よりも意外と長いのです。
実は雪虫と呼ばれるアブラムシは何種類もある
代表的な雪虫は、トドノネオオワタムシです。
井上靖の自伝小説のタイトルにつけられている「しろばんば」という呼び名もあり、こんな風景が描かれています。
「いまから四十数年前のことだが、夕方になると決まって村の子供たちは口々に しろばんば、し
ろばんば、と呼びながら、家の前の街道をあっちに走ったり、こっちに走ったりしながら夕闇のた
ちこめ始めた空間を綿屑でも舞っているように浮遊している白い小さい生きものを追いかけて遊んだ」
「しろばんば」とは白い老婆という意味で、老婆のような白髪を見せながら浮遊するワタアブラムシのことです。
見たことがないので一度は幻想的な雪虫が舞うところを見てみたいですね。
参考:きままにいこう、北海道ファンマガジン、niseko kashinoya、Wikipedia