真の美食 ローカルガストロノミー(前編)
ローカルガストロノミーの定義
地域の風土や歴史、文化、さらに農林漁業の営みを料理に表現すること。
地域の食を観光資源化することはもちろん、レストランや宿などの施設と、
農林漁業、さらに加工業を連携させて、将来にわたって地域が経済力を
維持できるような仕組みを作ること。
引用:料理通信
現代社会の中で特に都市部に住んでいると同じ食品が機械的に生産され、それを消費する文化になっている。
これは日本だけではなく、世界中に広がっています。
したがって生産者と消費者との間に距離が広がり、どこでどんな人が何を思って作っているのかは想像もしがたい
ローカルガストロノミーのローカルは地方的なとか、田舎ということですね
ガストロノミーは日本語では「美食学」と訳されています。
このことばからは、美味しくて、高級でぜいたくなものを食べるように感じます。が・・
ガストロノミーは語源はフランスで、食べ物の美味しさや新しいテクニックだけではなく、料理を中心とした風土や文化、歴史、レストランサービスからシェフに至るまで、広義にわたる総合的な学問といえます。
一方、ローカルガストロノミーという言葉自体は、ライフスタイルマガジン『自遊人』が、2017年11月号“レストランは地方の時代へ”によると題して作った造語です。
日本では2019年6月に岩手県宮古市で「三陸国際ガストロノミー会議2019」が、東日本大震災からの復興プロジェクトの一つとして開催された。
また、生産と消費を含む食料システム全体からの温室効果ガス排出量は全体の21%から最大37%を占めると言われている。
食からみる生産と消費のつながりや、昨今の気候変動の緊急性が重視され「気候危機」問題など課題を感じた大学生5名がいた。
そして「Next gastronomia」という団体を立ち上げた。
「食」から持続可能な未来を作っていくために、文化やサステナビリティ、テクノロジー、農業、といった異なる側面から食について学び発信していく。
かれらが注目したのは環境負荷が小さい地産地消を推進し料理を通して文化を伝える「ローカルガストロノミー」です。
地産地消とは
地元で生産されたものを地元で消費する
引用:農林水産省
このことは、国の基本計画で、地域で生産されたものを地域で消費するだけでなく、この活動を通じて、農業者と消費者を結び付ける取組です。
これにより、お互いが『顔が見え、話ができる』関係で農産物・食品を購入する機会を提供し、地域の農業と関連産業の活性化を図ることと位置付けている。
2020年11月にNext gastronomiaは、
大学生とシェフ、起業家が日本の食文化の魅力を再発見するローカルガストロノミーのイベントを秋田県湯沢市で開催した。
なぜ秋田なのか
今回のイベントのトピックも、食べ物としての美味しさだけではなく、気候危機やフードテック、資本主義、アイデンティティ、ウェルビーイングなど様々な催しです。
秋田県は、都道府県の中で平均年齢が最も高く、自然増減の人口減少率も最も高い県です。
少子高齢化と過疎化が同時に進んでいる秋田は日本の縮図とも言えるのです
雪深いことで有名で冬が長く、生活することにおいて食品を保存する必要があったことから発酵文化が各家庭でも根付いており、多彩な伝統野菜もある秋田は「食の宝庫」と呼ばれている。
湯沢市には発酵文化を盛り上げることに共感できる人たちや産業があることや秋田特有の食文化や発酵食文化が色濃く残っていることから開催された。
日本各地で食に関心を持った大学生が集まって、各方面から活動している姿は、頼もしい限りです。
「真の美食」の世界が訪れることを多いに期待するとともに、私たちができることを考え実行しましょう。
後編はこちらです
参考:IDEA FOR GOOD、Wikipedia、Next gastronomia、