○○通だね 精通の意味をたずねると
”通だね”
釣りのことならんでもごされの”釣り通”だね
あの人は歌舞伎については”通”でネ
かれはあの通りの”寿司通”でして
芝居通、競馬通、相撲通などなど、世間にはいろいろな分野で通人がいやっているほどいます。
「通ぶっちゃって・・・」なんてよく聞きますね
”通”とは、国語の辞書で見るとある領域の趣味・道楽に精通していること。とあります。
すなわち、その分野の事情に明るく知識が多いこと。つまり精通していることです。
いずれにしても、”通”とは八方に、あるいはある物事に自由自在につき抜けていることをいう
通の語源
この通に語源は、仏教でいう神通力(じんつうりき)の”通”にあたるようです。
神通力はもともと超越的、超自然的知識・能力という意味です。
この神通力には六種類あり、六神通として有名
昔、熊の肝を丸めたという丸薬があり、普通の病気ぐらいなら、どんなものにも効くといわれ
た家庭常備薬があった。
これが六神丸という名前で、六神通をもつ丸薬ということであったらしい。
一般の神通は、「禅定・ぜんじょう」(心を静め一つの対象に集中する宗教的瞑想)によって得る自由自在な、超人間的な、摩訶不思議なはたらきということ。
六神通
- 神足通・じんそくつう:
思い通りにあらゆるところへ到達できること。
思い通りに姿を変える事ができること。
色や声や香りや味、そのほか自分の感覚の対象となるものを思い通りに変えることができること。 - 天眼通・てんげんつう:
世の中の遠近、苦楽、大小などをはっきりと区別し、見通せること。 - 天耳通・てんじつう:
世の中のすべての声を残らず聞き分けることができる。 - 他心通:
他人が心で思う善悪のことがらすべて知ることができる。 - 宿命通・しゅくみょうつう
自分と他人の過去の生活の状態をすべて知ることができる。
- 漏神通・ろじんつう
煩悩(漏れるもの)のすべてをなくし二度と迷いの世界に生まれることがない。
これらの六神通の中で、漏神通以外の五通は「凡夫・ぼんぷ」(普通の)も得ることができる。
漏神通は仏だけが得られるものといわれ、聖者・凡夫が得ることはむずかしいとされる。
子供の頃に神通力があったらいいな、とよく思いました。
その頃は仙人しかいないといわれていました
だってよく考えてみてください。
どこにも行けて、姿は変幻自在というわけだ。
遠い所も見えて、すべての声を聞き分けができる、しかも他人が何を考えているかもわかるし、その人の過去まで知る事ができるなんて、まるで現代の「ドラえもん」ですよ。
こんなことを考えるのは、凡人の証拠ですね。
お釈迦さまは、他宗教の修行者と神通を競い合ったり、時には一般人にふざけたり、脅したりしたことがあり、弟子たちに神通を多用することを禁止された。
やはり、ドラえもんの世界でとめておくべきですね。
参考:Weblio、仏教語源散策(中村元編著)