ガーゴイルとは建築で使われた怪物の雨どい

ガーゴイルとは
「怪物の形をした雨どい」のことです。

ガーゴイル
ガーゴイルはヨーロッパの大聖堂や教会の壁から突き出した怪物で外部からの訪問者を威嚇している印象が強いですね。
日本にはほとんど見られずヨーロッパの建築に見られます。
「ガーゴイル」はラテン語の「喉」を由来とする言葉です。
建築物の壁やステンドグラスを雨水から守るため排水口となる怪物の口が建物から遠くに排出する形になっています。
ガーゴイルのルーツは古代ギリシャの建築などに見られ、ライオンの口から雨水が流れ出す形などもつくられています。
その姿の恐ろしい悪魔をかたどった怪物は、悪霊を外に吐き出す役割と悪霊の侵入を防ぐ役割を持ち日本の鬼瓦のように「魔除け」の意味と同じようです。

鬼瓦
ガーゴイルは12世紀後半からヨーロッパの都市で盛んに作られ、ゴシック様式の建築技術の発達により大聖堂などの高層化にともない壁面を守る必要が生まれ、雨水を集め壁から離して水を落とす雨どいになった。
フランスに伝わる竜の神話
「カーゴイル」の神話
竜の神話がフランスにあります。
その昔、セーヌ川に近い洞穴にガーゴイル(フランス語ではガルグイユ)と呼ばれている竜が棲んでました。
ガルグイユは蛇のような長い首を持ち、羽を生やした怪獣でした。ガルグイユは火を噴いて火事を起こしたり水を吹き出して洪水を起こしたりするなど悪事をはたらいていました。
600年頃にやってきたルーアン大司教が竜を退治し、火あぶりの刑に処しました。
しかし、竜の首は焼け残ったため、その首を聖堂に祭ったことが、ガーゴイルの姿のモデルとなったともされています。
引用:TRANS
ディズニーのアニメ「ノートルダムの鐘」(1996)に、ガーゴイルが登場しています。
ユーゴー、ヴィクトル、ラヴァーンの3人のガーゴイルが、主人公のカジモドを励ましたり冗談を言ったりして親友として描かれています。

ガーゴイル
世界遺産のパリのノートル・ダム大聖堂は、12世紀の初めから13世紀のかけて建てられたフランスを代表する大聖堂です。
内部の天井までの高さはなんと32メートルにも達し、聖堂の壁面に雨どいとして機能するガーゴイルが、突き出すような形でいくつも取り付けられている。
このガーゴイルはとても有名ですが、もともとあった外壁の彫刻はフランス革命のころにほとんど破壊され、19世紀の修復の時に加えられたものです。
その修復時に装飾として、鐘塔の基部の上に据えられた小悪魔の像は雨どいの機能はもたないため正確にはガーゴイルではなく、ガーゴイルから派生した「グロテスク」と呼ばれるものです。
一般では「キマイラ」と呼ばれてます。
ヨーロッパにお出かけの際は、ガーゴイルの異様でファンタスティックな魅力に注目をしてください。