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最強の毒を持つクモの壮絶な最期の日

 

カバキコマチグモとは

体長が10mm~15㎜と小さいが、
バカにしてはいけません。

クモの中では最強の毒を持つのが
カバキコマチグモです。


カバキコマチグモ

世界の猛毒生物ランキングの第6位
で生息地は日本、朝鮮半島、中国で
す。

その毒は、毒ヘビやフグよりも強く
神経どくですが、幸いにも牙が小さ
く、毒を注入されても少量なので、
人間がかまれても死亡することはな
いようです。

 

世界の猛毒生物ランキング(最強トップ10)

順位 生物名 種類 LD50
(mg/kg)
毒の種類 生息分布
1 マウイイワスナギンチャク イソギンチャク 0.00005~
0.0001
神経毒 ハワイ諸島マウイ島
2 ゴウシュウアンドンクラゲ クラゲ 0.001 混合毒 インド洋南部~
オーストラリア西方近海
3 ズグロモリモズ 0.002 神経毒 パプアニューギニア周辺
4 モウドクヤドクガエル カエル 0.002~
0.005
神経毒 南米コロンビア
5 ハブクラゲ クラゲ 0.008 混合毒 インド洋~沖縄近海
6 カバキコマチグモ クモ 0.005 神経毒 日本,朝鮮半島,中国
7 カリフォルニアイモリ イモリ 0.01 神経毒 アメリカ
8 アンボイナガイ 0.012 神経毒 インド洋~太平洋、日本
9 ヒョウモンダコ タコ 0.02 神経毒 太平洋、日本
10 インランドタイパン ヘビ 0.025 神経毒 オーストラリア内陸部

引用文献:「猛毒動物 最恐50」 今泉忠明著 サイエンス・アイ新書

カバキコマチグモに噛まれる事故は、
このクモの産卵期にあたる6月~8月
頃にかけて多くなるので注意が必要
です。

カバキコマチグモの巣は通常「クモ
の巣」を張ることではなく、ススキ
などの長い葉をまるめて、筒状の巣
を作ります。


ススキの葉を巻いたカバキコマチグモの巣

カバキコマチグモの名前は、カバキ
(樺黄)といって茶色がかった黄色
(茶黄色)いう意味です。

また、コマチは小野小町から来てい
ます。

名前だけで判断すると日本的な名前で
可愛らしいですが、だまされてはいけ
ません実は猛毒の毒グモなんです。

カバキコマチグモのメスは卵を育てる
ために新しい巣を作り、やがて100個
程度の卵を産みます。

自然界の中では、人間のようなほ乳類
や鳥の仲間などは子育てをする、爬
虫類やカエルのような両生類、メダカ
などの魚類は子育てをしません


メダカ

卵を産んでおしまい、子供を育てると
いうことは強くなければできません

親が子供を守り育てる強さをもって
卵を守り抜かなければできないのです

小さな虫は弱いので卵もろとも食べら
れてしまうので、無理なのです。

クモは他の昆虫をエサにする生きもの
なので、虫の世界では比較的強いため
カバキコマチグモは卵を守る虫です。

カバキコマチグモは、強烈な母性愛の
持ち主としても知られています。

産卵した卵が無事に孵化し脱皮を迎え
るまで、絶食状態でじっと卵を守り続
けます。

脱皮した赤ちゃんグモは、自由に歩き
回るようになります。

そして、赤ちゃんグモは母グモから一
心に愛情を注ぎこまれたにもかかわら
母親に食らいつきます。

そして、母親の体液を吸い始めます

驚くべきことは、母親は逃げようとも
しないで、赤ちゃんグモに身を任せて
守り抜きます。

食欲旺盛な赤ちゃんグモに体液を吸わ
半日で抜け殻の姿に代わってしまい
ます。

カバキコマチグモのメスは身を挺して
子供を守る母性の「」のような存在
なのです。

壮絶な、生死の営みは命がつながって
行くことなのですね。

参考:生き物の死にざま(稲垣栄洋著)

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