涙なくしては語れない尊いタコの最期
タコの特徴
タコは「タコのはっちゃん宙返り」な
どユーモラスでひょうきんなイメージ
を持ってませんか。
タコは大きな頭にハチマキをしている
イメージですが大きな頭に見えるのが
頭ではなく胴体です。
頭は足の付け根の部分にあり目や口器
が集まっています。
すなわち、頭から足が生えているので
同じ仲間のイカと同様に「頭足類」の
名で呼ばれたりする。
その頭の後ろに大きな胴体があります
賢く高い知能のタコ
タコは無脊椎動物の中では最も賢いと
され高い知能を持ち、形を認識したり
問題を学習し解決することができます
たとえば
- 密閉されたねじぶた式のガラスびんに
入ったエサを視覚で認識し、ビンの蓋
を取ってエサを取ることが事ができる - また、身を守るために保護色に変色し
地形に合わせて体形を変える。 - その色や形を2年間記憶できることが
知られている。
タコは見慣れてしまったが、何ともグ
ロテスクな形をしていますね。
海外ではデビルフィッシュ「海の悪魔」
として食用にしない民族もおおいです。
メスは吸盤がそろっていますが、オスは
吸盤がバラバラです。
吸盤は自分の身体にはくっつかない。
心臓は3つあります。
子煩悩のタコ
そんな、タコですが子育てをする子煩悩
な生物としても知られています。
海にすむ生き物の中では子育てをする生
物は少ないのです。
親が子供を守ろうとしても、より強い生
物に親子もろとも食べられてしまう、海
は食うか食われるかの弱肉強食の世界な
のです。
なので、卵をたくさん産んで少しでも残
す方が子育てをするよりよいのです。
子育てをするということは、卵や子供を
守る強さを持っていることになります。
タコの繁殖は一生に一度だけの、最大の
イベントになります。
メスの取り合いになるときは、激しく戦
い、自らの体色を変えながら足や胴体が
ちぎれてしまうほどの命を賭けた戦いに
なります。
この戦いで勝利したオスはメスとのカッ
プルが成立すると生涯でたった一度の交
接を行う。
そして、数時間かけて儀式が終わるとオ
スは力尽きて生涯を閉じてゆきます。
なんと、ロマンチックでもあり儚い一生
なのでしょうか。
母ダコの愛情
残されたメスは、岩の隙間などに卵を産
みつける。
これで終わりにならないことが、タコの
メスのこれからの子育てが壮絶なのです
卵が孵化するまでは、マダコで約1ヶ月
冷たい海に棲むミズダコでは、なんと約
6カ月~10カ月にも及ぶという。
この長い間メスは卵を守り続けるのです
危険そのものの海の中では片時も目を離
せないのです。
そのため、母ダコは一切のエサを獲るこ
ともなく卵を抱き続けるのです。
母ダコは卵をなでてみたり、卵についた
ゴミやカビを取り除き周りの水を新鮮な
水に替えたりして愛情を注いでいます。
もちろんエサを口にしないことは体力が
衰えてくるが、すきを狙っている天敵や
巣穴を乗っ取ろうとする者もいる。
そのたびに、母ダコは力ある限りに巣穴
を守り卵に危機が迫れば悠然と立ち向か
うのです。
やがて、月日が過ぎ、その日がやってき
ます。
小さな赤ちゃんが卵からかえり生まれて
くるのです。
母ダコは優しく卵に水を吹きかけ卵から
出やすいようにしてあげてます。
卵を守り続けたメスのタコには泳ぐ力も
足を動かす力もなくなっています。
子供たちのふ化を見届けると、母ダコは
安心したように横たわり、力尽きて死ん
でゆきます。
母ダコの壮絶な最期です。
そして、これが母と子の別れの時なのです。
参考:macaroni、東洋経済、生き物の死にざま(稲垣栄洋著)