古来からある「ハレとケ」とは
「ハレ」と「ケ」とは
普段はだいたい毎日同じような事をして生活をしている日常を「ケ」という。
朝起きて朝食をとり、会社に行って仕事をこなし家に戻りお風呂に入り、夕食を食べて寝る。
逆に、普段とは違う非日常的な生活を「ハレ」という。
結婚式や旅行に行くこと、お祭り、外食に行くことなどにあたる。
柳田國男によって見出された日本人独特の伝統的な世界観のひとつ。
古来より、日本人は日常と非日常を使い分けていたのです。
「ハレ」
「ハレ」は、折り目、節目をさし、語源は「晴れ」から来ている。
結婚式などのめでたい席での挨拶には、「このハレの日に」という言葉を使いますね。
この「ハレ」は雨が降っていても使います不思議だなと思ったことはありませんか。
ハレはお正月やお節句、お盆などの年中行事、神社の祭礼、七五三や成人式、冠婚葬祭などで、それ以外の日常生活は、「ケ」になります。
ハレの日には、晴れ着を着たり、神聖なお餅や赤飯を食べたり、お酒を飲んで祝ったりして特別な日であることを示します。
日本人には、昔から水も山も土などに神様がいると と信じられています。
その神々を「八百万の神(やおよろずのかみ)」といって、とても大切にしてきました。
神様のおかげで、暮らしていけると考え人々は祭り(祀り)をつかさどることになったのです。
また、江戸時代には日常の生活変化は、ほとんどなく、特に農民たちは春に種まきをし、秋に収穫をくりかえす何年も変わらない生活だったと思う。
みなが「ハレ」を求めて、五穀豊穣の儀式的なお祭りや能狂言、正月や厄払いなどの行事を作り出したとも思えます。
とにかく、祭りの華やかさ、各種行事の晴れやかさ、ケガレを落とし、清々しいことが「ハレ」なのです。
「晴れ着」「晴れ晴れ」「晴れ姿」「人生の晴れ舞台」などの「ハレ」の気持ちを表現した言葉がたくさんあります。
「ケ」
「ケ」は、普段の日常生活のことですが病気や死など陰鬱な何かよくない力などで日常生活が順調でうまくいかなくなることを「気枯れ」=ケガレといった。
「ケガレ」は忌み嫌い、祓い、禊ぎ、清めなどしていました。
「ケ」は明治以降から言葉として使われなくなった。
ハレとケの食べ物
50年前頃に、家族ですき焼きを食べるのは大晦日だけでした。
お寿司を食べられのは、お客様が来たときに父親が残してくれたお寿司でした。
肉やお酒、豪華な料理がならび、着るものや履き物、化粧までも特別にしたのが「ハレ」の日の習わしだった。
現代では、すき焼きもお寿司もしゃぶしゃぶなどの高級な食事が格安で食べられるようになりました。
変化のない江戸時代に比べ激しい変化の時代の現代は、テレビやパソコン、ゲームなど面白いものが山ほどある。
ニュースや情報、話題も豊富でどこへでも簡単に行ける。
江戸時代の「ハレ」の生活をしているのが現代人ですね。
ファミレスやコンビニは正月も営業していて、正月料理もそこそこです。
正月には必ず下着を新調してましたが今やその習慣もなく休みというだけで普段と変わらない正月に近付きつつありますね。
それでも人間は欲のかたまりで、新たな「ハレ」を求めていくんだろうな。
誰か止めて欲しいと思っちゃうけど難しいことですか。