デザイナー必須の「ゲシュタルトの法則」
「ゲシュタルトの法則とは
ものを見る時に近いものや似ている
ものを無意識にグループとして理解
したり、閉じている物をセットで認
識する傾向をいう。
ゲシュタルトはドイツ語で「形態」を
意味する言葉です。
スーパーマーケットに入ると入り口に
ミカンやリンゴなどが山積みにされて
いますね、それを目にしときに各1個
づつを見ているのではなく全体のかた
まりをみていることです。
「ゲシュタルトの法則」は20世紀の初
頭に、ドイツの心理学者のヴェルトハ
イマーらから生まれました。
「ゲシュタルトの法則」を利用して、
企画書やプレゼンのスライドや資料を
見やすく工夫したりできます。
デザイナーたちは、意識的であれ無意
識であれ、ゲシュタルトの法則に基づ
いて当たり前に取り入れてデザインを
行っています。
「ゲシュタルトの崩壊」とは
また「ゲシュタルトの崩壊」という言
葉があり、これは「ゲシュタルトの法
則」が当てはまらなくなることです。
「まとまり(ゲシュタルト)」として
認識していた対象が、ばらばらのパー
ツの寄せ集めに思えてくるのです。
漢字が代表的な例で、心理学者の行場
次朗氏が1983年に発表した実験では、
同じ漢字を約25秒間見つづけると、ほ
ぼ50%の割合でゲシュタルト崩壊が発
生したそうです。
ゲシュタルトの法則の7法則
ゲシュタルトの法則には基本の7法則
があります。
1.近接の法則
距離が近いもの同士が同じグループだと考える
それぞれの要素数が異なっていても同じグループと認識します
2. 類同の法則
色やかたちが似ているものはまとまって見える
同じ色や同じ形、同じ向きのもの同士が同じグループだと認識されやすい。
3.連続の法則
図形を繋がったものとして判断しやすい
「良い連続の法則」ともいう
下記左の図形は、2直線が交差していると判断され、「4本の線の集合」や
「2つの『く』の字の形の集まり」とは認識されないでしょう。
4.閉合の法則
( )のように閉じたものは同じグループであると認識
これを応用したのが、モバイルデザインで流行中の水平スクロールデザインです。
5.共通運命の法則
同じ方向に動いているものや、同じ周期で点滅しているものは、まとまって見える
かなり強く働く法則で、大きさに多少の違いがあっても、均等な距離を保っていなくても
「同じ動きをしている」ものは同じグループに見える
6.面積の法則
面積が小さいものが図、大きいものが背景として認識される傾向にある
Webサイトのトップページでは、全面に写真を表示し、写真は背景として認識され、
面積の小さいロゴやテキストに注目してもらうための手法です。
7.対称性の法則
左右対称な図形は、セットとして認識されやすい
有名な「ルビンの壺」の図はよく引き合いに出されますが、
対称的な輪郭があると意図せずに壺の絵や人の顔を認識し、
入れ替えて認識することができます。
さあ、この7つの法則を理解して身の
回りにあるデザインを観察してみてく
ださい。
メニューなど同じ意味の内容のものを
まとめたり、異なるものは遠くに配置
する「近接の法則」だったり。
形や色を用いてスライド制作に役立つ
「類同の法則」
矢印や三角形などの記号を使って視線
を誘導したりする「共通運命の法則」
「ゲシュタルトの法則」やデザインと
いうと難しく考えてしまいがちですが
この法則を意識して作り出せば、いつ
もと違うランクアップされたものが出
来上がります。
ぜひ、チャレンジして見てください。