ちやほやは江戸時代の短縮語
ちやほやされる
可愛さあまり、蝶よ花よと甘やかして育てられ「あの子はいつもちやほやされてるね~」とささやかれている。
「蝶よ花」よとは
古事ことわざ辞典によると
蝶よ花よとは、親が子供をこの上なく可愛がり、大切に育てるさま。
「蝶よ花よ」は、蝶も花も可憐で美しくいつくしむものであることから。
男の子にも使うが、主に女の子に対して使う言葉でです。
- 平安時代には「蝶や花や」といい
- 江戸時代には「花や蝶や」といい
- 明治時代には「蝶よ花よ」と変化して
「蝶や花や」の言葉が縮まり「ちやほや」になったというのが一般的な説とされる。
語源とされる「花や蝶や」は平安時代にさかのぼり、関白藤原道隆の娘、定子が中宮(日本の天皇の妻たちの呼称)となった。
仕えたのは、かの有名な清少納言で、その定子の聡明(そうめい)ぶりを「枕草子」に詳しく記述されている
「枕草子」に記されている藤原定子の歌が「みな人の 花や蝶やと いそぐ日も わが心をば 君を知りける」です。
(世間の人がみな、花や蝶やといそぐ日も あなただけは私の本心を知ってくれているのですね。)
他の歌にも「うらやまし花や蝶やといふめれど皮虫くさき世をもみるかな」
(うらやましいわ。世間は花よ蝶よと楽しんでいるけれど、わたしたちは毛虫くさい日々を送っているのだから)という歌があります。
いつの世も「よいしょ」して、おだてて機嫌をとることは日常的にあったのでしょう。
恋愛や仕事の場面で、ちやほやされている人を見ると、「ずるい」と思いますね。
嫉妬する反面、私もあのようになりたいなと思うこともあるはずです。
「ちやほやされる」ということは、「大切にされる」ということです。
ちやほやする側は、相手に気に入られたいと思う気持ちからです。
ちやほやされる人の特徴は
- 素直:
知ったかぶりしたり、キャラを演じたりしない、しっかりした態度の誠実さ - 笑顔:
笑顔を絶やさない人は愛嬌があるものです - 平等:
いつも変わらず、人を分け隔てしない - 危なっかしい:
完璧主義ではなくどこか危険なところがたまらない - 自然の仕草:
きどらず、少しあまえた仕草がかわいい - お手入れ上手
やはり、肌や髪、化粧、スタイルを気にして、いつあっても小綺麗な人 - 自分らしさ:
流行を追うということでなく、自分のセンスを身につけ注目をされる
などでしょうか。
自分で気をつけることのポイントをみつけて磨いて「ちやほや」と愛される人になるようにしましょう。
参考:Fragments、古事ことわざ辞典、ことばオンライン、季語ものしり事典(新海均編)