ガストロノミー「真の美食」後編
ガストロノミーとは
前回はガストロノミーの世界的な展開を調べて掲載しました。
今回は、ガストロノミーを日本で食の未来を考えていく若者のグループを通して「ローカルガストロノミー」を取り上げてみた。
前回(前編)の後編と思ってください。
ガストロノミーのおさらい
ガストロノミーとは日本語で「美食学」と訳され、食事・料理と文化の関係を考察することをいう。
引用:Wikiwand、
料理を中心として、様々な文化的要素で構成される。
食や食文化に関する総合的学問体系と言うことができ、美術や社会科学、さらにはヒトの消化器系の点から自然科学にも関連がある。
「三陸国際ガストロノミー会議2021」が岩手県久慈市で9月13日14日の2日間行われる予定でしたが、コロナ禍でとりやめになりました。
出演を予定していたシェフや学識経験者等による公演要旨を収めたVTRを順次配信してます。
Next gastronomia では
「自分たちの食の未来は自分たちで決めたい」と思い入れの強い日本各地の若者があらゆる角度の視点から未来を描き提案している。
発足のきっかけの話し
私たちは現代、食文化の衰退、農業従事者への魅力の低下、過疎化、環境問題など様々な問題や課題を抱えていきています。
引用:Next gastronomia
一方で日本の各地域にはポテンシャルをたくさん秘めている次の世代を担う若者がいます。
その若者たちが、この価値に気づくこと、疑問に対する答えを見出すことを重視している。
また、見出そうとアクションをとることによりのみ現状は変えられるのだと
その中でも特に「食」はどの時代でも常に身近にある分野であり、コロナウイルスの拡大があった今では更に自分達の体を作るものにも注目すべき時代が来ている。
この団体から地域の食の価値を見出し発信していくのと共に、食の世界をもっと良くしようとする志に共鳴している。
Next gastronomiaは、大学生とシェフ起業家が日本の食文化の魅力を再発見しようとローカルガストロノミーのイベントを2020年11月に3日間、秋田県湯沢市で開催した。
なぜ、秋田か
ここで、なぜ秋田なのかを考えてみると(実は僕の親父の田舎です)
- 都道府県の中で平均年齢が最も高い
- 自然増減の人口減少率も最も高い
- 少子高齢化と過疎化が同時に進んでいる
- 日本の縮図とも言える。
- 一方、雪深い冬が長く、食品を保存する必要があったことから発酵文化が根付いている
- 多彩な伝統野菜もある秋田は「食の宝庫」と呼ばれる。
以上のようなことから、Next gastronomiaが秋田でイベントを開催した。
秋田特有の食文化や発酵食文化が色濃く残っているだけではなく湯沢市には発酵文化を盛り上げることに共感できる人たちや産業があることも理由だという。
世界一の美食の街
ガストロノミーの聖地として知られるスペイン・バスク自治州のサン・セバスチャンは、「世界一の美食の街」として有名です。
サン・セバスチャンはスペイン北東部にあるビスケー湾に面し、フランス国境にも近い。
年間を通じて雨天が多く、海の幸も山の幸も豊富な場所です。
サン・セバスチャンでガストロノミーが浸透したのは、「美食倶楽部」の存在と情報のオープンソース化が大きい
「美食倶楽部」には、主に男性が集まり、自分たちで料理を作って食べて、楽しむ伝統的な文化です。
こうした文化を背景に1970年代にフランスで始まった伝統的な料理にカジュアルさを取り入れた新しい料理法が若いシェフを中心に広まった。
この食の運動の素晴らしい点はレシピをお互いに教え合うという情報の共有化をしていることです。
これまでの伝統的な料理人の師弟関係ではなく、誰もが新しい技術や手法にアクセスできることで、街全体で食の質が向上したのです。
この根底には、地域の財産はみんなで共有すべきという考え方やバスク地域の助け合いの精神などが欠かせない。
Next gastronomia の未来展望は
- 地球にも美味しい:100年後も見据えた自然との共生ができる食べ方。
- 身体へも美味しい:健康面に考慮がなされた食
- 心から美味しい:幸せを感じる、本当に美味しいよ思える食
- 日本の各地のローカルガストロノミーを発信する
- メンバー全員がSNSを通して秋田の食文化を発信し続ける
- 実際に畑で育てた野菜をブランド化し秋田を活性化する
- 地元の文化、食材などから価値を高め発信する
以上のことの種まきをして、「真の美食」がありふれる世界をめざしていく。
素晴らしい企画ですね、若い人のパワーを存分に発揮して、食文化が進化することを期待したいですね。
参考: Next gastronomia 、Wikipedia、ideasforgood