きっかけと出会いは「機縁」
一人ではない自分
友をつくり、仲間をつくり、家族を作り、集団を作り、ムラを作り、社会を構成して生きてきているのが人間です。
人はひとりでは生きていけない。
さまざまな人々との触れ合いが必要です。
そこで「これも何かの御縁です」「これを機縁に・・」と言い、人とお付き合いしながら日々暮らしているわけです。
ほんの挨拶だけだったり、一度だけの人も、何度も顔を合わせる場合もあり、出会いの回数は関係なく、わずかな値遇(ちぐう:仏語・前世の宿縁によって現世にであうこと)であっても、そのことが縁となって人生の方向性が決まることもある。
「これを機縁の」の機縁とは、機とは心のことで、縁とは教えを説くきっかけのことです。
「帝釈の網」
仏教には「帝釈の網」という、たとえばなしがあります。
帝釈は葛飾の帝釈天が有名ですが、もとはバラモン教の神で仏教に取り入れられてその後、守り神となりました。
この帝釈天が世界中に網をかぶせたという話です。
引用:ブッダの法則(田中治郎著)
その網目の一つひとつには、綺麗に輝く鈴のような音色を出す宝石がぶら下がっています。
この宝石の一つひとつが私たち一人ひとりを指しています。
人間だけでなく、全世界を構成するあらゆる存在が宝石です。
いま、この宝石の一つを揺らすと、さら弛宝石は網でつながっているので、
その揺れは次々と連鎖して世界中の宝石が揺れて音を出すことになります。
このように、個々の集まりではなく、つながった関係なのです。
そして、私たちは「縁」によって生かされているのです。
このたとえ話は、現代においても、とても大事なメッセージを残していると思います。
私たち(私)が、ここに今いるのは、両親をはじめ家族、親せき、友人、会社、地域社会、国家、世界などがあるおかげであり、一人ひとりの相互の関わり合いが全体を支えています。
このつながりが納得できれば、それらの人々に感謝ができ、逆に感謝もされ、感謝によって今の世界が保たれます。
きっかけが、なければ人は出会いがありません。
男女でいえば、恋の芽生えも生まれないし、結婚することもできないし、もちろん子供も生まれないことになる。
厚生省の調査
厚生省の人口問題研究所の「出生動向基本調査」によると、18歳~34歳の男女に質問した「婚約者や交際相手がいない」と回答した未婚者の割合は男性69.8%(前回61.4%)、女性59.1%(同49.5%)といずれも前回から上昇した。
引用:厚生省人口問題研究所
また、交際相手をもたず、かつ交際を望んでいない未婚者は、男性では全体の30.2%、女性では25.9%を占めている。一方、結婚をしたいと思う交際相手をもつ割合は、男性16.0%(前回18.4%)、女性24.5%(同27.0%)である。
男女とも交際相手がいない人の方が多いのです。
誰しもさまざまなきっかけで、めぐりあいがありますが、ただ単に黙って待っているだけでは、なかなかチャンスはめぐってこないものです。
ある調査によると転職や結婚相手との出会いなどの人生の大きな転機は、普段よく合う人よりもめったに合わない人から思わぬチャンスやきっかけがもたらさせることがわかったのです。
やはり自分から積極的にやってみる
- 積極的に話しかける
- あまり行かない場所に出かける
- 挨拶は自分からする
- ミーティングや集りに参加する
- 今迄とは違うジャンルの本や映画を見る
- 仕事をかって出る
とにかく何でも行動をして、一歩踏み出しチャンスをものにすることが大事です。
参考:ブッダの法則(田中治郎著)、ほとけさまと心が温まるお話(岡本一志著)、生活の中の仏教用語