ペットボトルリサイクル率が88.5%
2018年に海洋プラスチック問題の深刻化が大きな話題となり、どうしても「ペットボトル」が悪の象徴として認識されてしまう傾向になった。
なんと日本における21019年度のペットボトルの回収率は93.0%で、リサイクル率は88.5%(2020年)で世界最高水準なんです。
しかし、回収されたペットボトルの多くはフィルムやシート、繊維などにリサイクルされて、その後は焼却されてしまいます。
当然のことながら焼却の時は、CO2が排出されてしまい、環境に負荷がかかるのです。
石油を原料とした「ポリエステル」という樹脂から作られるペットボトルは、軽くて、丈夫で、加工しやすく、さまざまな飲料や調味料などの容器や食品の入れ物として利用されている。
これだけ大量に利用されていることは、それだけ、大量に廃棄されていることであり、申告な問題となっているわけです。
特に家庭から出るゴミのうち約6割はペットボトルを始めとしたいろいろな容器や包装用品です。
そのため、政府は平成7年(1995年)に「容器包装リサイクル法」(正式名称:容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)を制定した。
この、容器包装リサイクル法は
- 消費者には分別排出をしてもらう
- 市町村には分別収集をしてもらい
- ペットボトル製造業者にはリサイクルを行うこと
上記、義務付けられている
私たち消費者が、ゴミを出すときに資源ごみやペットボトル、びん、缶などと分別してゴミ出しをしていることが高い回収率につながっているのです。
「皆さん、ゴミの分別ご苦労様です。」
世界では欧州のリサイクル率は39.6%(2019年)、米国は18.0%(2020年)と非常に低いのです。
日本でのプラスチックのリサイクル方法には、「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」の3つの方法があります。
- 「マテリアルリサイクル」:モノからモノに変わるリサイクル法
- 「ケミカルリサイクル」:化学の力で資源を分解する法
- 「サーマルリサイクル」:廃棄物を燃やしたときに発生する熱を回収して利用するリサイクル法
の3つの方法があります。
ペットボトルのリサイクル
ペットボトルのリサイクルでは、「ボトルtoボトル(水平リサイクル)」と「カスタードリサイクル」の2つが行われている。いずれも、上記のマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルに該当する。
- 「ボトルtoボトル(水平リサイクル)」
ペットボトルをフレークに原料化(リサイクル)し、新たにペットボトルとして再利用することを「ボトル to ボトル」や「水平リサイクル」という。
引用:ELEMINIST
異物の完全除去をおこない、フレークは高純度の原料となるため、石油からつくるペットボトルと遜色のないきれいなペットボトルをつくれる。何度も再生することができる高度な循環型リサイクル方法である。
- 「カスタードリサイクル」
フレークやペレットから、ペットボトル以外の製品をつくるのが「カスケードリサイクル」。通常、リサイクルを行うと品質の劣化が起こるため、品質の劣化に応じてその原料で許容できる製品にリサイクルを行う。ペットボトルのカスケードリサイクルでできる製品は下記のようなものがある。
食品トレイ:食品トレイ・シート・卵のパック・食品用中仕切り・防草シート・下敷きなど。
(ペットボトルで再商品化されたもののうち40.7%が、これらシート類に生まれ変わっている。)
繊維・服・靴:ワークウェア・白衣・アウター・ネクタイ・肌着・バッグ・靴など。
(ペットボトルで再商品化されたもののうち16.5%が繊維製品になっている。)
その他:食品用パウチ・粘着ラベル・日用品用パウチ・ラミネート包材・台所用洗剤ボトル・セロテープ・定規・空き容器リサイクルボックスなど。
世界最高水準を誇る日本のリサイクルだが、多くがリサイクル頻度の少ない「カスケードリサイクル」に流れているのが現状です。
一般社団法人全国清涼飲料連合会は、2018年11月に「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」を発表し、2030年度までにペットボトルの100%有効利用を目指すとした。
これを契機に大手飲料メーカーは、100%有効利用を加速させる「ボトルtoボトル」リサイクルに舵を切り、取り組みを強化しさらに拡大している。
私達消費者がするべきこと
リサイクル率をさらに高めるために私たちがやるべきことは、使用したペットボトルをルールにしたがって分別・排出すること。
- ペットボトルのマークが付いているか確認する
- 必ずキャップをはずす:
キャップをはずした後に残るリングや、しょうゆボトルの中栓などは無理にはずす必要はなく、そのままでOK - ラベルをできるだけはがす
- ペットボトルの中をすすぐ
- 横方向につぶす
以上、PETボトルリサイクル推進協議会では上記の手順を推奨している。
日本国内で2020年に販売されたペットボトルは、217億本で、結局、石油資源が大量に使用されているのです。
できるだけ、住居の自治体ルールのとおりに行い少しでも質の良いペットボトルリサイクルを心がけましょう。
参考:ツギノジダイ、ELEMINIST、食品産業新聞社、環境省