誰にもある個人空間「パーソナルスペース」とは
他人ががあまりにも近づくと「え!なんでこんなに近くに来るのかな」と不快に思ったり、なんとなく落ち着かなくなったりしたことはありませんか。
パーソナルスペース
これは、自分自身が持っている占有空間の中に、他人が侵入してくるからなのです。
こんな自分自身が持っている占有空間を「パーソナルスペース」と言います。直訳すると「個人空間」ですね。
一般的には、自分のパーソナルスペースが保証されていれば、何をしていても快適になり、逆にその空間が他人に侵された時には不快になると考えられています。
日常的によくある話です。毎日、会社に出勤する時の満員電車、エレベーターの狭い空間に複数の人との乗り合わせたら早く目的地・目的階につかないかなと、ジッと階数の表示を見たり、嫌いな人から遠のいたり、好きな人のそばに行ったりします。
これは自分が持っているパーソナルスペースを他人に侵入されたことの表れだと考えられています。
動物で言うところの ”縄張り” のようなもので、別名「パーソナル・テリトリー」とも呼んでいます。
「パーソナル・テリトリー」は、誰もが自分で持ち運んでいることから名付けられ「携帯される縄張」と呼ばれています。
パーソナルスペースの範囲
パーソナルスペースの範囲としては、人により、また相手によりまちまちですが、室内で対話をするときなどは、通常は腕を伸ばしたくらいの距離がその範囲と考えられている。
ある調査によると、会話の時の距離は年齢が上がるにつれて大きくなる傾向にあり、40歳前後で最も大きくなり、その後再び小さくなると言う結果が発表されている。
子供の成長は目をみはるものがありますが、しがみついたり、抱きついてきたり、ひざの上に乗ってきたりしてますが、やがてそのような行為を控えるようになります。
40歳前後で距離が最大になるのは、その年齢の人たちが社会の中で最も独立性を要求されているためで、それ以降から距離が小さくなるのは加齢による筋力の衰えが始まり周りの助けが必要になってくるためだといわれています。
日本の特に20代の同性ペアのパーソナルスペースは、かなり小さくなり50代の距離よりも小さいようです。
特に20代の女性同士が最も小さくなるといわれ、若者たちは他人への依存度が高く、幼児性が表れているのではないかと推測されている。
男女による違い
パーソナルスペースは男女の形が違うと言われ、下記の図のように男性は中心を後方に置いた細長い楕円形で、女性は丸みを帯びた円形だと言われています。
もっとも、接近する人が男か女か、知っている人か、見知らぬ人かなどでもパーソナルスペースの形が変化します。
このように伸縮性のあるパーソナルスペースです。
空いている電車に乗ると、ガラガラの席でもそれぞれの人が等間隔に一定の距離を置いて座っていることがあります。
これは電車に乗っている間、他人から自分のパーソナルスペースに侵入されるのを防ごうとしているからです。
電車の中
満員電車の場合は、駅につき新しい乗客が乗り込んできた時は、体をずらしたり後退したりして侵入されてきたことによる防衛本能が働いたということです。
一時的にパーソナルスペースを縮小して、不快感を耐えようとしているのです。
友達同士や恋人同士、親子、兄弟姉妹などの親密な関係ならば、お互いの距離は関係なく不快感を覚えることもないですが、小さな空間が多い日本では大きなパーソナルスペースをもつことは不可能ですが、適切な距離を意識して保つことで、円滑な人間関係を築くことができるようです。
まだまだ、解明することが多いパーソナルスペースで、あいまいなことがあることにご注意ください。