銭湯の壁絵の3つのタブー
子供のころから銭湯の壁画は富士山でした。
熱い湯船につかって必ず富士山を見ながら、1、2、3・・・と数を数えてました。
子どもの頃に毎日のように通った銭湯は、昭和40年(1965年)にピークを迎え全国に2万2000軒を数えたが、平成8年(1996年)には、9,461軒になり、平成30年(2018年)には3,535軒と激減した。
現代では、自宅に必ずいわゆる内風呂があり、銭湯にはいかなくなったので仕方のないことですが、寂しい限りです。
ペンキ絵
銭湯の壁画に富士山が描かれたのは、大正元年(1912年)に東京神田猿楽町にあった「キカイ湯」の主人が、画家の川越広四郎に壁画を依頼したのが始まりです。これが評判となり、これを真似た銭湯が続出し、銭湯といえばペンキ絵という観念を持つようになった。
秋葉原と神田の間に2006年5月まで、楽しませてくれた「交通博物館」のパノラマ模型運転コーナーの背景壁絵にも銭湯のペンキ絵の絵師によって、富士山などを主体とした山々が連なるペンキ絵が描かれていた。
引用:Wikipedia、
タイル絵
また、大型タイルに美しく豪華な上絵を描き、焼成したものをタイル絵という。全国的にみられるタイル絵は、九谷焼で戦前より石川県金沢市の窯元「鈴栄堂」が全国に広めた。壁面などの広い面積を装飾するため複数枚の大型タイルに柄続きの総柄に仕上げる。
引用:Wikipedia、
白地の平滑な地に描かれる図柄は主に宝船や鯉の瀧昇り、七福神などめでたく華美なものがほとんどを占め、美術工芸品並みの技巧を凝らし創られたタイルもあった。
広い湯船に思う存分手足を伸ばし、雄大な富士山を眺めていると、気分爽快になり力もみなぎってくるような感じになります。
その富士山の背景画で、上位は
- 「西伊豆」:黒い岩場に雄大な海が広がってます。
- 「三保の松原」:湾曲した砂浜に松林が立ち並ぶ構図です。
- 「富士五湖」:本栖湖、河口湖、山中湖などから見た富士山の風景です
だといわれてます。
そして、「理想の富士山は八合目から上がスッポリと雪をかぶった状態。12月から2月くらいの季節の富士山が最適」だとか。夏のよりも雪の冬の富士山の方がやはり人気が高いらしい。
3つのタブーの壁画
銭湯の壁画に描いてはいけないタブーの絵が3つあるのをご存知でしょうか
- 「猿」
- 「夕日」
- 「紅葉」
があります。さて、なんでタブーなのでしょうか
猿は、「客が去る」
夕日は、「家業が沈む」「景気が落ちる」
紅葉は、「葉が赤くなり落ちる」ことから赤字を連想するので。
これらの3つの絵は、売り上げの減少を招く縁起の悪い題材とされ、描くことが避けられる。
というわけで、「猿」が登場する桃太郎やさるかに合戦の絵は描かれず、「夕日」も「朝日」に照らされた絵になり、散ってしまう「紅葉」ではなく、散らない「松」が描かれるなど、とにかく縁起の良い題材を選び構図も考えた絵に描かれている。
絵師には「空3年、松10年、富士山一生」という有名な格言があり、空をマスターするのに3年、松をマスターするのに10年は必要。富士山は一生かけて極めることを意味する。
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とても奥深さを感じました。
日本が誇る芸術のひとつですね。
参考:Wikipedia、NIKKEI STYLE、雑学ネタ帳