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奇祭といわれる 三重・神島 ゲーター祭

ゲーター祭とは

ゲーター祭という言葉が気になった。

日本のお祭りで、「ゲーター祭」という英語読みなのか、ゲーターとは一体どういう意味なのか由来は何なのかを調べてみました。

ゲーター祭は、三重県鳥羽市にある、伊勢湾に浮かぶ人口400人ほどの小さな島「神島」で執り行われる奇祭で、「太陽の霊魂の復活祭」です。

三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台として有名な三重県鳥羽市の離島、神島で旧正月の元旦未明に行われるこの祭は、県の無形文化財として登録されている。

ゲーター祭

ゲーター祭の思想と流れ

天に二つの日輪なく、地に二皇あるときは世に災いを招く、若し日輪二つあるときは、神に誓って偽りの日輪は是の如く突き落とす」という、思想を現したものと言われている。

大晦日から独特の雰囲気が島内に流れ、午後7時頃より白ツナギに身を包んだ島の男達が、漁協に集まり、グミの枝をまるめて直径6尺(約2m)ほどの日輪を模した輪「アワ」を作る
元旦になると、完成したアワを浜に持っていき、御幣をつけた長い竹でアワを2メートルの高さに掲げ気勢をあげます。

日輪をかたどったこのグミの輪は、「日の御像・ひのみかた」と呼ばれている太陽のシンボルです

アワが高く上がれば上がるほど、その年は豊漁になると言われているそうで、島人達が必死でアワを空高く突き上げた後、地上に叩き落し氏神のやしろに奉納します

この奇祭は、村人たちが太陽のスピリットを激励して、活力をよみがえらせようとすることで、真冬には太陽の威力も失って、光も力弱く衰えているその太陽に元気と活力を復活させようとする迎春の勇壮なお祭りです

その後、島人達はその足で八代神社に参拝する。新年の大漁祈願と、邪悪を払い平穏無事を祈る意味合いがある。
新しい年の日の出を迎えることができる御礼も兼ねての初詣となります。

ゲーター祭

太古の人の霊魂だましい

大昔から、人々の霊魂魂の考え方は、真冬に太陽の霊魂も人間の霊魂も、活力が衰えて枯死しようとする。
そこで村人たちが集団になり、まつりを行って太陽の霊魂が元気になるようにし、復活させ、その若々しい霊魂を人間にもわけ与えてもらって1年の間の生命力を自分の肉体につけようとしていたようです。

この神島のゲーター祭はまさに、正月行事の典型的な島の氏神・八代神社の神事とされている。

伊勢・夫婦岩

日の御像に似ている輪じめ縄

この神島の「日の御像」に似たものが三重県伊勢市二見町の夫婦岩で有名な二見の浦にあります

それは「輪じめ縄」といい、しめなわを丸く結んだもので、夫婦岩のそばの二見輿玉神社が、参詣者からの求めに応じて小型の輪じめ縄を与えていて、参詣者がこれを買い求めて神前にささげている

これは、輿玉神社だけでなく、二見地方の人たちの古い風習だったらしいのです。しかもそれは元来は迎春のための正月の風習だったようです。

伊勢神宮の地元

ゲーター」という聞きなれない言葉は、無形文化財ではあるものの、語源が不明だったりして謎につつまれた奇祭です。

三重県はなんといっても、伊勢神宮があり、そのためか神話やアニミズムとかかわりを持った祭が多く、ゲーター祭もその一つではないかと考えられる。

伊勢神宮

アニミズムとは

生物・無機物を問わないすべてのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方。

引用:WEBILIO

しかし、古くから受け継がれていた文化ですが、島の過疎化が進み祭を執り行う祭主、準備を行う若者がいないため、平成30年の元旦の実施は中止となっています。なんとか復活して後世に引き継がれていくことを願うばかりです

参考:めるもritokei、日本の神話(筑紫申真著)

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