「もったいないお化け」つくも神とは
つくも神とは
「陰陽雑記」という書物によると日本に伝わる作られてから百年たった道具には魂が宿り人の心を惑わすといいます。
これが「つくも神」という妖怪です。
簡単に言うと「もったいないお化け」のことでものを粗末にすると現れます。
毎年新年になると、古い道具類を路地に捨てる煤払い(すすはらい)の行事があります。
これはつくも神の
なのです。
つくも神は平安時代の発生と考えられ、都で発生します。
「つくも」「九十九」とは
道具は百年という年月を経ると精霊を得てこれに変化することができるという。
「つくも」とは「百年に一年たらぬ」と室町時代の御伽草子系の絵巻『付喪神絵巻』の詞書きにあることから「九十九」(つくも)のことであるとされている。
『伊勢物語』の和歌に見られる老女の白髪を現した「つくも髪」を受けて「長い時間(九十九年)」を示していると解釈されている。
引用:wikipedia
『付喪神絵巻』に書かれている内容は
オブジェ(道具)は、魂を宿すという観念のうえで、年月を重ね百年たつと精霊を宿し、「つくも神」となるため、人々は「すす払い」と称し毎年立春前にそのようなオブジェを路地に捨てていた。
捨てられたオブジェたちは腹を立て、節分の夜に妖怪となり、一揆をおこすが人間や護法童子に懲らしめられ最終的には仏教に帰依するのでした。
引用:Wikipedia
この物語から人間も草木、動物、道具でさえも古くなるにつれて霊柱を得て自ら変化する能力を獲得するという。
このことは、世界中に見られる観念なのです。
何かの本で、「無機物は生きている」を読んだ記憶があります。
コップの機能は水分を入れることにあります。
機能が存在する無機物(鉱物)は生きている魂を持っているといわれてます。
そのコップが割れて機能がしなくなった時にその瞬間に死んだ状態になり天上界に帰ります
まあ、百年と言ったら、そんなに長生きできないし、僕らには関係ない話じゃないかな。と、いう考えは早合点です。
この「百年」というのは道具が使えなくなる直前までを現す言葉だからです。
今使用している家電製品は、5年から6年でつくも神になってしまいます。
僕らの周りにはつくも神が溢れかえっていてその数はあまりにも多いのです。
それらが、「環境破棄」や「地球汚染」と呼ばれていることになりますね。ものがものとして魂が宿り、それを認識していた時代の話といえばそれまでです。
これは、現代の僕らのぜいたくと無駄の心に警鐘を鳴らしているのかもしれません。
参考:無為自然、そこにもホラそこにも、wikipedia、京都大学、