香り高い人気のハーブ伝説の「ローズマリー」の秘密
近年、ガーデニングの人気とともにハーブの栽培も増えているようです。
ハーブといえば「ラベンダー」がすぐに思い浮かべますね。
代表的なラベンダーにも負けない人気のハーブに「ローズマリー」があります。
ローズマリーの原産地はラベンダーと同じ地中海沿岸地方が原産のハーブです。
「永遠の愛」伝説
ローズマリーは光沢のある緑の葉が一年中生えているため「永遠の愛」と象徴とされています。
紀元前4−5世紀頃のギリシャでは記憶や思い出の象徴とされ、学生たちは髪にローズマリーの小枝をさして勉強をしたというエピソードが残っています。
さらには「二人の愛が永遠に続くように」と思いを込めて、結婚式で花嫁が身につけたり、招待客に配ったりという習慣もあったと伝えられています。
引用:S&B
ローズマリーの特徴
スキッとした強い香りが特徴で、多年生の低木で垂直方向に伸びたり、地面に這うように育ったり、その中間の性質を持ったりする種類があります。
花色も様々な種類がありますが、一般的に見かけるものは紫色を帯びた淡いブルーと濃いブルーの花を咲かせるものが多いようです。
名前の由来
シソ科のマンネンロウ属の常緑性の植物で、属名の「ロスマリヌス」は「ロス(雫)」と「マリヌス(海)」を合わせたもので「海の雫」という意味です。
漢字では「万年朗」(マンネンロウ)と書きます。
ローズマリーの香りが強く常に香っていることから「万年たっても香りがする」とも言われています。
また俗説にこんな伝説があります。
ヘロデ王の軍隊に追われた聖母マリアが幼いイエス・キリストとともにエジプトに逃れていたある夜、マリアが青いマントを白い花が咲いている香りのよい木にかけたところ、翌朝、花がマントと同じ青色に変わっていたとのこと。聖母マリアを象徴するのがバラ(ローズ)であることから、それ以後、このハーブを「マリアのバラ」(ローズ・オブ・マリー)と呼ぶようになった。
引用:S&B
花言葉は「追憶」「私を忘れないで」
シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の主人公ハムレットの妃候補だった若い貴婦人のオフィーリアは、ハムレットに「私のことを忘れないで」とローズマリーを贈ります。
その後、オフィーリアは川で亡くなっているのが発見されます。
これが元で花言葉ができたのか、定かではありません。古代のエジプトでは、悪魔から守る神秘的な力を持つとされるローズマリーを葬儀の棺の上に小枝をのせたり棺に入れたりしてました。
このようなこともあり、花言葉の方が先のように感じます。
料理の定番
ローズマリーはご存知のように、羊肉、豚肉、イワシやサバなどのクセの強い素材の臭み消しや鶏肉、じゃがいもなど淡白な素材の風味づけに使われています。
酸化を防ぐ抗酸化作用の「カルノシン酸」がよく紹介されています。
幅広い用途に使われていたローズマリーですが、最近の研究では「ローズマリーの香りには」記憶力を高めることが実証されています。
多用途のローズマリー
また、昔から「若返りのハーブ」と言われていて、ローズマリーをアルコールに漬け、そのまま低温で保存しローズマリーの成分が滲み出てきます。
ハンガリーの王妃はこれを飲み、とても若々しかったと伝えられています。
このことから、ローズマリーから取り出した液はハンガリー王妃にちなんで、英語で「ハンガリアン・ウォーター」と呼ばれることがあります。
実に多様性に富んでるハーブですね。若返りに記憶力アップにいかがでしょう。
参考:S&B、かぐわしき植物たちの秘密(田中修・丹治邦和著)