日本伝統の組紐(くみひも)とは
日本伝統の工芸品・組紐
組紐って聞くと、つい子供の頃に姉がよく編んでいたリリアンを思い出します。
と言っても、今の若い人には分らないかもしれませんね後述します。
世界でも日本の「ひも」は、標準より発達した国です。
世界的なスポーツブランドが、日本の組紐を靴ひもに採用したほど、その技術力は高く評価されている。
「ひも」そのものの歴史は古く、聖徳太子の時代以前から発展したと言われています。
組紐の歴史
仏教の伝来とともに、お経の巻物や経典、袈裟や仏具などの飾り紐として使われました。
その後は、武士の鎧や鎧のおどし糸、刀剣を帯びるための緒(お)、柄(つか)に巻く紐、武具の一部として発達し戦(いくさ)時にも耐えられる堅牢な組み方は現在にも受け継がれている。
小袖が流行りだすと帯や腰ひもに、さらに帯締めなどへ広く普及していきました。
組紐は、伸びるものもあれば、結びやすいもの、自然にはほどけず自由性が高く、なんと言っても装飾性に富んでいて各時代を通じて好まれた工芸品です。
紐の種類
紐には大きく分けて3種類あります。
組紐:数十本合わせた糸の束をいくつかの玉に巻き、斜に交差させながら組む斜に糸が交差するこの紐には伸縮性があります。
和装の帯締めの多くはこの組紐が使われております。
伸縮があることにより、強すぎず、弱すぎず、帯締を締められた方の呼吸に柔軟に対応できるのです。
その他、組紐はさげ袋の紐やお茶道具を包む仕覆と呼ばれる袋物の締め緒など非常に多くの場面で使われています
織紐:縦糸と横糸との直角交差で織られることから、ほとんど伸縮がありません。
この織紐の多くは「真田紐」と呼ばれるもので、主にお茶道具などを入れる木製の箱にかけられます。
箱を持ち運ぶ際に、手をかけ持ちやすいようにと使われるようになったのが始まりといわれ、その実用面からも、
伸縮の少ない真田紐は適していると言えます。
撚紐(よりひも):綱引きの縄のように撚りをかけて作られる。
紐の歴史の上でも一番古いものと言われています。
組紐や織紐と同様の観点からいえば、この撚紐も伸縮は少なく実用性の高い紐といえます。
鳥居にかかる締め縄、不動明王が手にもたれている五色の撚りひも、お相撲さんが腰に締める“まわし”などで、目にされた方も多いのではないでしょうか。
出典:店紐組藤伊
組台
組紐をくみ上げる組台があります。
- 角台(かくだい)
- 丸台(まるだい)
- 綾竹台(あやたけだい)
- 重打台(じゅうちだい)
- 高台(たかだい)
- 内記台(ないき)
- 籠打台(かごうち)
の7種類に分類します。
糸と糸が組み合わさり、独特の美しい色使いが、日本人にはよく似合います
そこには、わびさびの匂いがしてきますね。
簡単な組紐をつくるのならDIY用として組紐ディスクが販売されているようです
こちらから参照ください。
DIY
リリアン
さて、冒頭に書いたリリアンですが、戦後に女の子の間で、何度も大ブームを起こしました。
木製の小さな筒状の編み機があり、その先端の針に蜘蛛のように糸をかけて編んでいきます。
今では、編み機もリリアン用の糸も、100均で売っているそうです。
ハンドメイドのストラップやブレスレットを作って友達や家族で楽しんでください。
詳しくはこちらへ
リリアン
参考:店紐組藤伊、Wikipedia、東京都産業労働局、東京都伝統工芸工舎