インバウンドが絶賛、日本の伝統文化の「折り紙」
昨年10月の水際対策緩和以降、海外からの旅行客は急速に戻っている。
昨年9月時点で訪日外客数は、コロナ前の2019年の同月と比べて-90.9%、つまり10分の1の水準に留まっていたが、10月以降は予想外に急回復を遂げている。
復活のインバウンド
予測も上方修正をを繰り返し、外国人の観光客は予想以上に増加している。
しかも、一人当たりの消費額がコロナ前の水準を上回ったのは予想外だったとしている。
2023年のインバウンド需要は4兆9,580億円となる。コロナ前の2019年のインバウンド需要4兆8,135億円を、早くも2023年に超える計算で、政府が目標に掲げる5兆円も、2023年にほぼ達成できることになる。
人気の浅草もレンタル着物で着飾った外人さんが目に付く、周辺の太鼓ミュージアムやカッパ橋のサンプル店なども外人が目立ちます。
「折り紙会館」
観光のパンフレットに紹介されているのか、文京区湯島にある「おりがみ会館」外人旅行客にとても人気があります。
館内には綺麗に折られた作品の数々が展示されていて、鑑賞したりして楽しめます。
「おりがみ会館」は和紙の製造販売をしている会社が50年以上の前に開設をしたとのことで、来場者の約7割は外人さんです。
その外人さんのお目当ては会館の4代目館長さんが、折り紙を実演してくれることです。
鮮やかな手さばきで、折り紙を作り上げるのを見て
- 「わずかな時間で、こんなものが折れるなんてびっくりです」フランスからのご夫妻
- 「細かい技術、一種のアートですね」ニュージーランドからのファミリー
と話しています。
外人さんからみるとマジシャンのように映るのでしょうね。
日本の折り紙
折紙は、日本発祥の伝統的な文化です。
いつ頃からできたのかは定かでは無いようですが、武家が政権を握っていた室町時代に、贈り物や手紙を紙で包む時の折り方である「折形」(おりがた)が武家の礼法として発展し、その伝統は江戸時代へと伝えられました。この折形が、現代につながる日本の折り紙の起源の一つと考えられています。
折り紙は、なんといっても紙一枚で楽しめ、想像を掻き立て、芸術性も高く、明治時代には幼稚園教育にもとりいれられ、小学校では手工や図画でも教えるようになり、誰でも、どこでも、気軽にでき、ますます盛んになりました。
ヨーロッパの折り紙
世界でも各国に折り紙はあるようで、ヨーロッパでも、折り紙は作られていました。その一つが、スペインの「パハリータ」(スペイン語で「小鳥」の意味)と呼ばれる伝統的な折り紙です。
日本で一番作られる折り紙は「折り鶴」ですが、ヨーロッパではその言葉通り「小鳥」の作品が有名で、スペイン人にとって「小鳥」がなじみ深い作品です。
「ORIGAMI」
日本の折り紙が、世界では「ORIGAMI]として各国へ講習会を開催してかなり広まってきました。
最近はSNSを通じ、作品が紹介されたり折り方の説明が紹介されたりして、普及も広まり愛好者が増えているそうです。
近年は「超複雑系」と呼ばれる、非常に複雑な折り紙に人気があります。
例えば、「龍神3.5」など超複雑系の作品を数多く作り出している神谷哲史(かみや さとし)さんは、超複雑系折り紙の愛好家の中ではスター的な存在です。
また、宮本宙也(みやもと ちゅうや)さんの作品「死神」は、完成までに約460工程が必要な作品です。これは、正方形1枚の紙から作る作品としては世界で最も工程数が多い作品の一つと言えます。
「おりがみ会館」の小林館長さんは折り紙の魅力をさらに伝えていきたいと言っています。
「紙は身近にある紙でいいし、ノートだっていい。皆が楽しく和気あいあいやるのが折り紙のこころです。言葉がわからなくても同じ喜びは通じると思います。折り紙はそのいい例です。うさぎを折ったら誰でもうさぎ。折り紙は楽しくやればいい。そうすれば広がっていく。年齢性別問わず楽しめる。言葉はいらない」
コミュニケーションのツールにもなりますね。
「折り鶴」折れますか。