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蜂の集団の結束力は世界一「熱殺蜂球」とは

蜂の熱殺蜂球は集団殺法

人間の社会に似た集団生活を営む小さなハチは幼虫の世話や巣の修復保持、自営などは働きバチが分
担しておこなう。

最も代表的な仕事ははちみつを集めることです。
ミツバチが一生かかって集めるはちみつはティースプーン一杯ほどです。

そんな働きバチは、実はすべてメスです。


ミツバチ

女王バチが絶対な世界の蜂の集団に、昆虫の中では世界最強のオオスバメバチが大切な巣を荒らしに来
ます。

蜂の巣の中には、丸々と太った蜂の幼虫がいる。
巣を襲って大量のエサを略奪できるのです。

オオスバメバチは肉食で、刺されれば人間であっても命を落としかねない危険な蜂です。

攻撃性が強く世界最強とも呼ばれるハチです。


オオスズメバチ

ハチの中では、体が大きく攻撃力もあるアシナガバチでもオオスズメバチに巣を襲われると、ひと
たまりもなくやられてしまいます。

そんなオオスバメに対し、一センチ程度の小さなそのハチたちは、大きければ5センチにもなるよ
うなオオスバメバチに飛びかかっていきます。

しかし、飛びかかっていっても、オオスズメバチに小さなハチの針は通用しません。

それでもめげずに次から次へと小さなハチは襲い掛かります。仲間がやられてもやられても、なお
襲い掛かります。

けっしてやけくそで戦いを挑んでいるのではないのです。小さなハチは数百匹で次々に襲い掛かり
ついには、オオスバメバチを覆いつくすのです。

覆いつくすだけでは、世界最強といわれるオオスズメバチがやられるわけではありません。

小さなハチたちは次の作戦に取り掛かります。

小さなハチたちは筋肉を収縮させたり、羽を細かく動かして、体温を上げ、中にいるオオスズメバチ
蒸し殺してしまうんです。

この作戦のことを「熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)」と呼ばれています。


熱殺蜂球

その蜂球の温度は46度まで上昇し、オオスズメバチはおよそ45度の温度で死滅してしまいます。

日本ミツバチがこの小さなハチに該当します。
僕たちが普段見るハチは、海外から来た「西洋ミツバチ」です。

養蜂の為に西洋ミツバチは導入され、それまでは日本ミツバチはあちこちで見られたそうです。

ミツバチの世界では個々の意思は無視されるが、集団の中での役割、組織としての統率力はどんな
国、どんな組織よりもすぐれている

日本ミツバチは、長い歴史の中でオオスズメバチに対抗する作戦を見出したが、西洋ミツバチはた
だ勇敢に戦うだけで全滅してしまうことも珍しくない。

オオスズメバチを殺すのに必要な温度は約46度しかし、49度まで温度が上がれば、ミツバチも
死んでしまいます。

決死の覚悟で、ギリギリの暑さの中で犠牲を伴いながらの作戦です。

それでもミツバチたちは、恐れることもなくオオスズメバチに、立ち向かっていく。自分が命を落
としても、その犠牲によって多くの仲間が守られる。

もちろん巣の中の子供たちの命も守られるのです。

かつての日本ミツバチが棲む「日本」国は、日本ミツバチのように誰かのために命をささげた若者たち
のおかげで、我々の命は守られたのです。

平和に暮らせる日常を感謝せずにはいられません。

参考:LIFEミツバチの教え(麻生羽呂著)、生き物の死にざま(稲垣栄洋著)

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