蚊帳の外の意味はご存知ですか
蚊帳の外っていうのは
蚊帳を知っている人は、高齢者ですかそのぐらい、言葉は知っていても実物を知らない人が多いでしょうね。
わたしは、小学生の2~3年頃まで使用していた記憶があります。
夏の蚊に悩まされ始めてる頃に登場する麻糸で目の細かいガーゼのような感じです。
四隅に蚊帳をぶら下げる紐がついていてそれを部屋の隅の欄干にかけて部屋全体をカゴのように吊るして使います。
夜中に飛んでくるブーーンという音にも目を開けることなく、蚊に刺されて寝れなくなることもなく快適でした。
ただ、トイレなどに行く時には注意して蚊帳のすそを手早くまくり、やっかいな蚊が中に入らないよう出入りには注意しました。
狭い部屋で家族で寝ていたものですからひとりでも出入りにへまをすると、皆で飛び起きて、吸血鬼の襲撃を防ぎ、徹底的にやっつけます。
そんな日の朝は皆、寝不足で犯人は皆から総攻撃に会いました。
我が家の夏の風物詩なのです。
その蚊帳の外と言う事は、部外者扱いされることを言い、無視されることをいいます。
つまり、蚊帳そのものを「輪」と見立てその輪の外に追いやることで「仲間外れ」になるネガティブな意味になります。
こんな場合に蚊帳の外を使います
例文
今回の交渉では、日本はまるで蚊帳の外におかれているような立場になってしまった。
飲み会で和気あいあいと会話する様子があちこちで見受けられたが、蚊帳の外感がただよい、つまらなそうだった。
薄い蚊帳の中でこそこそと話している仲間意識感がその蚊帳の中にあり、その仲間に入れそうで入れないという微妙な疎外感が表現されている。
蚊帳は古代エジプトのクレオパトラが愛用していたと言われ、日本には中国から伝来した。
当初は貴族たちが使用していたが江戸時代には一般庶民にまで普及した。
日本の蚊帳の色彩は、萌黄色のネットに紅色の縁取りが定番となっていて、売り出すや爆発的な
ヒット商品となり定着していった。
昭和の後期になるとアルミサッシの網戸が急速に普及したことで日本の蚊帳文化の
需要は減少していった。
通販ではどうかと調べたら、いやいや健在で部屋全体を覆うような蚊帳でなくベッドや一部を覆うような映画の中でよく見たエジプトなどのセクシーな蚊帳を販売している。
世界での需要は普遍的にあるようで、野外や熱帯地方で活動するには、とても重要な装備品であり、野外用のテントには「モスキート・ネット」が付属している。
また、軍需品としてアメリカ軍をはじめとして各国の軍隊が今でも採用している。
現在、蚊帳は蚊が媒介するマラリア・テング熱・黄熱病および各種の病気に対する、最も安価で効果的な予防・防護策として注目されている。
国際連合および世界保健機構(WHO)は、蚊帳の普及を積極的に推進しておりアフリカ諸国や東南アジアで、蚊帳を配布している。
日本もユニセフやODAを通じ支援をし、3年間で200万帳以上の蚊帳を世界各国に配布している。
海外支援用の蚊帳には、殺虫剤を練りこんだ蚊帳で蚊が触れるだけで殺虫効果があり、5年間ほどの
効果がある蚊帳をWHOでは採用している。
何とも言えない雰囲気になる蚊帳をたまには使って、こどもと一緒に寝るのもよいと思います。
この夏の想い出に蚊帳の生活は如何でしょう。