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デズニーも利用している ホーソン効果とは

2022.04.29

ホーソン効果とは

人は一般に注目されることを好み、特別な扱いを受けると、さらに成果を上げようとする傾向があること。
ホーソンは米国イリノイ州シカゴ郊外にある工場の名。ここで行われた照明の明るさと生産性の関係とを調べる実験で観察された結果から導かれたもの。

引用:デジタル大辞泉

人から「見られている」「注目されている」と意識すると、やっぱり頑張りますね、「期待に応えよう」という意識が働き必死になります。

ホーソン効果は100年ほど前に、米国のウェスタン・エレクトリック社ホーソン工場で行われた実験によって導かれたものです。

その実験とは、労働者の作業効率の向上を目指すための調査から、工場の何を改善すれば一番効果的かを調査の目的としたのです。

具体的な実験は、どのくらいの明るさが作業員の生産性を上げるのに適しているかを調べたが、どんな光量でも生産性は向上したことが分かった。

ただし、向上した原因は、横にいた調査員の存在が、作業員を真剣に仕事に取り組ませたからであると判明した。作業員は注目を浴びることで、相手の期待に答えようとし、結果的に生産性が向上したのです。

この実験で、労働時間や環境などの物理的労働条件よりも労働者の周囲や上司から「注目されているという意識によって生産性が向上する」ということが判明しました。

周囲の注目を浴びることで「よく見られたい」「ヒトの期待に応えたい」という気持ちが生まれ、それによって行動が変わり良い結果を生み出す現象が「ホーソン効果」と呼ばれるようになりました。

見られてる意識はあなたも経験をしていると思います、運動会の徒競走や大勢の前での発表、働いている現場での上司の視線など思い当たることがたくさんあると思います。

 

ビジネス社会では、優秀な成績を出した社員を全体朝礼・会議などで表彰をする。
人は誰しも特別に優遇されたと感じた時、自分に周りから関心が集まっていると感じる時、その特別扱いや関心に応えようと、より一層頑張るようになる心理効果がホーソン効果です。

たとえば部署の中で自分だけが上司からよく声をかけられると感じるだけでも本人の中に特別な感情が生まれます。
特別扱いをされていると自分で意識を持つことで、ぐんとやる気が上がります

ホーソン効果の4つの実験

照明実験(労働環境の影響の有無)

照明実験では、労働環境が生産性にどう影響を与えるかを調べ「照明が暗い場合は生産性が低下し、明るいと向上する」という仮説の元、それぞれの環境で生産性を測定しています。

結果は「生産性に労働環境は関係ない」というものでした。
結論として『作業条件と能率には相関関係はない』ことになりました。

 

組み立て実験(労働条件・待遇の影響の有無)

無作為に選出した女性6名に継電器のリレーを実施しました。人によって、賃金を変えたり休憩時間や食事の有無、部屋の温度を変化させるなど労働条件を変えながら、生産性と作業能率を計測しています。

仮説としては「照明実験と同じように、物理的な労働条件が悪くなるほど生産性は低下する」としていましたが、結果は労働条件がどう変わろうと生産性は一定のペースを保ち、むしろ向上していきました。

面談実験(個人の感情の影響の有無)

面談実験では、従業員2万人全員と面談を実施し、仕事に対する思いなどをヒアリング。個人の感情が仕事にどう影響を与えるのかについて調査した。すると、ヒアリングを設けただけで、従業員の生産性が向上しました

面談での会話ではもちろん愚痴なども多くありましたが、従業員の労働意欲は労働条件や賃金よりも職場の人間関係や仕事に対する思いといった、感情的な部分と切り離すことができないことが判明しました。

バンク配線作業実験(人間関係の影響の有無)

バンク配線作業実験では、従業員を職種ごとにグループ分けし電話交換機(バンク)の配線作業を行わせてその共同作業の成果を調査しました。その結果、労働者はそれぞれ常に100%の力を発揮するわけではなく、周りの状況や場面に応じて適当に労働量を制限していることが判明した。

生産性の違いは、能力よりも働き方への意識によることがわかりました。品質検査では、上司と従業員に良好なコミュニケーションが築けているほうがより欠陥やミスが少なく、結果不良の出が少ないこともわかりました。

良好な人間関係が生産性向上をもたらす

以上のホーソン実験から、

  • 生産性向上には物理的な労働条件は関係がない
  • 生産性を向上させるのは、職場の人間関係や仕事に対する個人の思いなど、エモーショナルな感情的な部分が影響を与える
  • 組織内は、より良好なコミュニケーションが成立している方が、ミスが少なく精度が高まる
  • 作業環境ではなく、人間関係が労働生産性に影響することが顕著に表れている。

ディズニーリゾートの取り組み

スピリット・オブ・東京ディズニーリゾート

キャスト同士がどの人が「素晴らしい行動」をとったのかをたたえ合い、メッセージを交換する活動。多くのメッセージをもらったキャストの中から「スピリット・アワード」受賞者が選ばれ、スピリット・アワードピンが授与されます。

ディズニーランド

 

キャスト(ほとんどがアルバイト)は他と比べて高い時給とは言えないが、ゲストをもてなすサービスは群を抜いてますね、この「見られている」という意識が、モチベーションを高め質のよいサービスを維持していると分析されている。

ホーソン効果は、近代のリーダーシップやマネジメントに活用され、人間関係論に発展し効果が認められています。大いに活用をしましょう。

参考:mitsucari打刻ファーストUX TIMES

 

 

 

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