世界危険生物1位の「蚊」と除虫
世界危険生物1位の「蚊」
「ぶ~ん」とか「き~ん」とか耳元でいい気持ちのときに邪魔をされて眠れなくなった。
あの忌まわしい蚊の羽音に何度も悩まされますね。
世界危険生物ランキングでは人間は2位で鮫は23位です。
では、第1位は何なのだ「蚊」なのです。
さすがに、知っている人は少ないようです。
年間約100万人が犠牲になっているといわれてます。
やぶ蚊の飛ぶ速さは、時速8kmで飛行能力は弱く風速2m以上になると風に向かって飛べなくなる。
また、1回の吸血量は自分の体重と同じくらいなので、体重が2倍になり大幅に羽ばたく回数が増え、飛行速度は落ちる
先に記した羽の音は400Hz~900Hz程で人間の耳にはよく聞こえます。
また、蚊は1秒間に800~1000回羽を羽ばたかせ、回転数がとても多いため高音に聞こえます。
高音ほど、遠くにいても近くに感じやすいと言われています。
蚊は二酸化炭素を好み二酸化炭素に誘われてやってくるため、人の口や鼻の周りに集まります。
そうすると必然的に耳の近くに寄りますので、音が大きく聞こえるのです。
「蚊遣火」かやりび
まだ、蚊取り線香がなかった平安時代から大正初期頃までは、蚊を追い払うための欠かせない生活習慣が「蚊遣火」(かやりび)です。
江戸時代の江戸庶民の間では夏の風物詩でもあった。
ヨモギの葉、カヤの木、スギやマツの青葉などを火にくべて、燻した煙で蚊を追い払う習慣が全国的に広く行われていた。
有害な「害虫」
蚊は人類にとって最も有害な害虫です。
メスが人体の血液を吸い取って痒みを生じさせる以外に伝染病の有力な媒介者ともなるのです。
「地球上でもっとも人類を殺害する生物」となっています。
マラリアやフィラリアなどの線虫病原体、黄熱病、デング熱、脳炎、ウエストナイル熱、チクングニア熱、リフトバレー熱などのウイルス病原体を媒介します。
日本では日本脳炎が有名ですが、蚊による病気の中で罹患者及び死者の多い病気はマラリアで、2015年には2億1400万人が罹患し43万8000人が死亡した。
近年の地球温暖化の影響による範囲が広くなっていることも懸念されている
「蚊取り線香」
和歌山県の上山英一郎(大日本除虫菊株式会社の創業者)は、1886年に福澤諭吉より紹介されたH.E.アモアより除虫菊の種子を譲り受ける。
思案を繰り返し、線香のような棒状に除虫菊を練りこみ「金鳥香」が誕生した。
燃焼時間は40分が限度だった。
渦巻き型の蚊取り線香のデザインは1895年からのものであり燃焼時間が長くなり、かつかさばらないものとなった。
大日本除虫菊の製品では渦巻きを解きほぐすと、全長は75cmに達し、一度の点火で7時間使用できる。
この7時間は、睡眠時間に合わせたものだそうです。
渦巻き状のそれを使用すると灰が落ちるので金属製の線香皿や陶製の蚊遣器(かやりき)が用いられた。
なかでも、陶製の蚊遣器には代表的なものとして、ブタの形をした蚊遣豚(かやりぶた)があり、夏の風物詩となっている。
蚊遣り豚
最近ではアウトドア用に吊り下げ可能な線香皿があり安全に使用できる。
この煙そのものに蚊を殺す効果があると思われがちだが、実際には燃焼部分の手前で高温により揮発する化学物質(ピレスロイド)に殺虫作用がある
煙と異なり目には見えず、周囲に拡散して殺虫効果を生じさせている。
煙ではなかったとは驚きですね。
僕が子供の頃は蚊帳で楽しみました。
それから、網戸ができて蚊取り線香だけになりました。
1960年代から火を使わず煙が出ないマット式の電気蚊取が開発され、近年では、電気も使わず効果が数時間持続するスプレー式防虫剤も販売されています。
蚊に注意するには
- 網戸を必ずして、蚊を屋内に入れない
- 蚊の飛行能力は弱いので、扇風機をかける
- 虫よけスプレーをかけて寝る
などですかね。
それと最近は、蚊の嫌がる「高周波音」や「羽音」を発生させて、蚊を遠ざける「虫除けアプリ」も登場しているようです。