心理的リアクタンス・反抗の克服
人は誰も人から強制をされると無意識に反抗心がむらむらと起こります。
なぜなら人は生まれたときから、自分のことは自分で決めたいという欲求を持っているからです。
どうしても、人から強くいわれたり、頭ごなしに言われると嫌悪感を覚えるのです。
これが、心理的リアクタンスの発生メカニズムです、「自分の選択的自由が外部から脅かされた時に生じる、自由を回復しようとする反発作用」のことです。
心理的リアクタンスの特徴
だいたいひとは、他人から注意されたり、強制されたりすることは面白くないもので、「相手のいう事はもっともだな」とわかっていても欠点を指摘されるのはうれしくはないですね。
「心理的リアクタンス」の特徴としては、たとえそれが自分にとってプラスになる内容でも無意識に反発してしまうことです。
子どもの頃がいい例ですね。学校から自宅へ戻って母親から「早く勉強しなさい」「宿題はないの」といわれると勉強しなくてはいけないことはわっかっていても、反発心なのか途端にやる気がなくなってしまう。
実験
「心理的リアクタンス」は、アメリカの心理学者である、ジャック・ブルームが下記の実験をもとに提唱しました。
この実験は、入手不可能だと教えられた物体を入手したときの、子供たちの反応を観察した実験に基づいたものでした。
入手不可能だと言われると、「心理的リアクタンス」により入手したいという気持ちが芽生えます。実際に入手したときの反応に、嬉しい気持ちが表れていたら「心理的リアクタンス」が大きいと判断できます。
実験から、「心理的リアクタンス」を感じる程度には、性差があることが確認されました。男性の方が、「心理的リアクタンス」を強く感じる結果となったのです。
引用:スッキリ
特にこんな場面では、「心理的リアクタンス」を感じますね
- 会社の上司に、「早くこの仕事を片付けろ!」とせかされる。
地位の高い人から強制されると反抗心が芽生えてしまう。 - 友人に、「あなたは短気な人だね」と決めつけられ言われる。
人から自分の性格を決めつけないで欲しいと発生する「心理的リアクタンス」 - 医者に「ラーメンは絶対に食べないでくださいね。」と指示される。
こんなふうに言われると、余計に食べたくなる。 - 「こちらの契約の方がお得なので、契約を切り替えましょう」と提案される。
契約の変更を一方的に決めつけています。嫌悪感を覚えますね。
この「心理的リアクタンス」の理論が元となっている心理学用語があります。
カリギュラ効果
1979年のアメリカで上映された「カリギュラ」という映画が名前の由来です。
この映画の内容はわかりませんが、かなり過激だったのでしょう、公開中止になりました。
すると、公開中止に伴って人気が上昇する現象が起こりました。
禁止されるほどそれをやってみたくなる心理として「カリギュラ効果」と名付けられたのです。
駄目だ、ダメだといわれれれば言われるほど、のどからてがでるものです。
浦島太郎や鶴の恩返しなどがこれにあたりますね。
ブーメラン効果
ブーメラン効果は、相手を説得するほど説得者が拒絶される現象を指します。
説得しようと投げかけた言葉は、拒絶となって帰ってくることから、ブーメラン効果と名付けられました。
心理的リアクタンスは、日常生活のさまざまな場面で生じる可能性があります。
常に冷静な判断が必要ですね、といっても、どうしても感情が先に出てしまいがちになります。
まずは、相手の言った内容は後回しにして相手のいってくれたことに「わかりました。ありがとうございました。」と答えるようにしましょう。
それから内容をゆっくりと自分を照らし合わせてみましょう。
参考:スッキリ、仏様が伝えたかったこと(岡本一志著)、