大相撲にも歌舞伎にもある幕の内とは
大相撲を見ていると終盤に近づくにつけ力が入るものです。
両国の国技館に行くと力士の名前が入った大きなの旗が出迎えてくれ、櫓太鼓(やぐらだいこ)が、これから観戦する熱戦を否応にも盛り上げてくれる。
その相撲には「幕」という言葉がありますね。
相撲の階級には、幕内(まくのうち)、十両、幕下、三段目、序二段、序の口の6つあり、その幕内と呼ばれる格付けには上から、横綱、大関、関脇、小結、前頭の5つあります。
この幕という言葉は、古くは布製の遮蔽(しゃへい)する物として使われ、その後は、中世の武家の陣中にも陣幕として用いられた。
次第に、布をいくつも縫い合わせた物全てを幕とよび、幔幕、外幕(とまく)、内幕(うちまく)、のれん幕などとして使われ、能楽や歌舞伎のものも幕というようになった。
そして「幕内」は歌舞伎のことばとしても使われるようになった。
芝居では舞台と客席を幕で仕切ることから「膜の内側」は「楽屋」や大道具や衣装、床山、囃子方などを表す「裏方」と言われている。
幕の内ですぐにピンとくるのが「幕の内弁当」ではないでしょうか、江戸時代にはじめは芝居見物の際に役者や裏方のために作られ、やがて芝居茶屋が出す観客向けのものが登場し、「幕間(まくあい)」と呼ばれる休憩時間に食べていたことから、「幕が閉まっている間に食べる弁当」という意味から「膜の内弁当」と言うようになった。
握り飯、こんにゃく、焼き豆腐、芋、かまぼこ、たまご焼きなどが入ったものが定番だったようです。
ちなみに、東京の幕内のベスト3は
- いろいろ弁当(とんかつまい泉)
自慢のヒレかつや焼鮭に様々な副菜も盛り込んだ「いろいろ食べたい!」を叶える人気のお弁当。 - すみだ川あさり飯(亀戸升本)
亀戸升本一番人気! 「カンブリア宮殿」にて外食レジェンドすかいらーく創業者横川氏ご推薦。 - いろどり幕の内弁当(塚田農場おべんとラボ)
人気の若鶏のチキン南蛮や、魚・肉・野菜のおかずを彩り豊かに詰め合わせた幕の内弁当です。
引用:東京幕の内弁当ランキングより
さて、相撲の幕内にに戻り、語源は由来はなんだったんだろうか。
幕内は、江戸時代、徳川幕府の将軍の相撲上覧に際し、仕切りとしてまわりに張り巡らす「幔幕(まんまく)」の内側に、数人の上位力士が控えることを許されたため、そのような力士を「幕内」と呼ぶようになったとされる。
一説には、節会相撲(せちえずもう)の際に、上位力士が幔幕の内にいたことから、「幕内」と呼ばれるようになったとする説もある。
時代と背景は前後するが、幕内は幔幕の内にいることが許された上位力士の特権に由来することは間違いない。引用:語源由来辞典
古い昔に、遊山や行楽などの時、まわりに幕を張り、その中で宴を催した。
将軍が相撲を見るときも、まわりから見えないように幕を張った。その幕の内側に入れる待遇を受けた「選ばれた」力士という意味の「幕の内」です。
相撲で、 「幕内」以外に,「幕下」「平 幕(ひらまく)」「幕 尻 (まくじり) 」など がある。十両より下で三段目よりも上の階級 を「幕下二段目」と言い,これを略して「幕下」 と言う。また,三役(小結,関脇,大関)よ り下の幕内力士を「平幕」,幕内力士の中で 最下位の力士を「幕尻」と言う。
なんと言ってもこの歌舞伎の幕が目に浮かびます。